著者
北山 修
出版者
九州大学
雑誌
九州大学心理学研究 (ISSN:13453904)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-9, 2000-03-10

フロイトの報告したドラ症例は,彼の本格的症例報告としては最初のもので,精神分析を学ぶ者たちにとっては教科書的存在であった。しかし,最近では精神分析研究者からの批判の対象になっており,とくにP.Mahonyの詳細で質の高い研究は,この小論の著者である私にこれを書かせることになった。その前半では,病歴を要約し,本症例のフロイトの理解と取り扱いでこれまで注意深く批判されている諸点を紹介しているが,そこには母親についての無視の意味や,父親やK氏との共謀的な同盟関係についてフロイト自身が気づいていないことなどが含まれている。後半では,患者の言い回しの曖昧さや比喩的構造について,治療者が言語学的に理解し活用することが,その批判点にもかかわらず,本症例からもっとも学ぶべきところのひとつであり,それはヒステリーや心身症を患う神経症患者の精神医学病理を把握するために役立つものであることを論じている。
著者
関根 康正 野村 雅一 小田 亮 鈴木 晋介 和崎 春日 近森 高明 北山 修 南 博文 Teasley Sarah Salzbrunn Monika 阿部 年晴 Gill Thomas 朝日 由実子 村松 彰子 西垣 有 内藤 順子 Subbiah Shanmugampillai 根本 達
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

現代のネオリベラリズムに抗してストリート人類学を確立することが本研究の目的である。そのためにストリート・ウィズダムとローカリティの生成の実態把握を行った。研究成果のキーポイントは、中心からの徹底した一元化としての「ネオリベ的ストリート化」が作り出す敷居(ストリートエッジやローカルエッジ)での創発行動の解明にあり、そこでは「自己が他者化」するという動的過程が必ず見いだされ、それを「根源的ストリート化」と概念化した。エッジを不安定とともに生きている人々は現代人の生の本質を映す鏡である。その状況は「人が生きるとは何か」という哲学的究極の問いを現実的に問う。その探求にストリート人類学の存在意義がある。
著者
北山 修
出版者
日本精神分析学会
雑誌
精神分析研究 (ISSN:05824443)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.12-17, 2001-02-25
被引用文献数
3
著者
北山 修
出版者
日本精神衛生学会
雑誌
こころの健康 (ISSN:09126945)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.12-16, 1989-11-15 (Released:2011-03-02)
参考文献数
3