著者
干場 圭太郎 川村 新 飯國 洋二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.64, pp.31-36, 2007-05-17
被引用文献数
4

自動採譜システムを実現するためには,音高推定技術が不可欠である.音高推定技術とは,楽音の基本周波数を推定する技術のことである.従来の研究では,楽音データを周波数領域に変換してから,基本周波数を求めることが多い.しかし,楽音の平均律音階の隣り合う音高の基本周波数比は2^<1/(12)>であり,その周波数配置は等間隔にならない.そのためFFTなど等間隔の周波数成分を求める手法では,多重音の求めたい音高の基本周波数を直接求めることができず,周波数補正などの処理が必要とされる.また,この方式では,演算量の観点から音高推定のリアルタイム実現は困難である.これに対して本論文では,ノッチフィルタを利用した時間領域の音高推定法を提案する.提案法では,少ない演算量で基本周波数を求めることができ,音高推定のリアルタイム実現に適している.

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