著者
金井 遵 須崎有康 八木 豊志樹 並木 美太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.36, pp.155-162, 2007-04-06
被引用文献数
1

本稿では、DNS と P2P 技術を用いた、モバイル可能な小型組込み機器と HTTP-FUSE-KNOPPIX による、負荷分散機構や耐故障性を有するスケーラブルなシンクライアントシステムについて述べる。本研究では、キャッシュサーバ、RAID、DNS などを用いた負荷分散、耐故障性向上技術に加えて、DNS に P2P 技術を組み合わせることにより、小型機器によるサーバにおいても高いスケーラビリティを実現した。特に P2P 技術により、シンクライアントシステムでボトルネックとなりやすいクライアントの同時起動時の性能低下を、クライアントが同時に起動用サーバとなることで緩和した。また、多くのハイブリッド P2P システムでボトルネックとなる検索システムを軽量化することで、組込み機器など資源が制約されるサーバ環境においても十分なスケーラビリティを実現した。これらの機能を実装した組込みシンクライアントサーバ HTTP-FUSE-KNOPPIX-BOX において、クライアント8台で起動時間98秒と多数のサーバを利用したシンクライアントシステムと遜色ない性能を実現した。This paper describes an implementation of mobile thin-client system with scalability and fault-tolerance by DNS and P2P technology for embedded hardwares and HTTP-FUSE-KNOPPIX. DNS-Balance with P2P technology realizes more scalability by embedded servers in addition to cache servers, RAID, and DNS. The P2P system improves bootstrap performance by clients which distribute block files for other clients when many clients boot simultaneously. The mobile embedded servers with limited hardware resources have sufficient scalability by lightweight search system. Evaluation of embedded HTTP-FUSE-KNOPPIX-BOX with the P2P system has shown that it boots up 8 clients in 98 seconds and its performance holds up to existing thin clients.

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