著者
李 利 江原 絢子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.193-201, 2007-06-20
被引用文献数
1

本研究は,中国明朝に李時珍によって編纂された『本草綱目』(1587年)と,この書を学び,日本の食生活にあわせて編纂した食物本草書『本朝食鑑』(人見必大著 1697年刊)の分類上の比較を通して,両国の食文化の特徴を明らかにすることを目的としている。その結果, 『本草綱目』で取り上げられなかった食品が, 『本朝食鑑』で多く取りあげられていたものは魚介類であり,逆に『本朝食鑑』で積極的な解説がなく,わずかな種類しか取りあげられなかったものは,獣類や虫類である。その取りあげ方を見るだけでも両国の食文化のちがいが明確になる。また,獣畜類に着目すると, 『本朝食鑑』では,胆,皮などは薬として扱っているが, 『本草綱目』のように,血,心臓など多くの内臓については紹介していないのも食文化のちがいを示す特徴の一つといえる。

言及状況

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江戸時代の庶民の食生活について、どんな魚を食べていたかが分かる資料がないか。 特に元禄時代、徳川綱吉のころ。できれば館内で閲覧できるものがよい。

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