著者
斉藤 早苗 町浦 美智子 末原 紀美代
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.223-230, 2007-07

未婚就労女性221名を対象に,Beckerの保健信念モデル(Health Belief Model:以下HBM)を基盤にし,社会的認知理論の自己効力感を用いて,性感染症(sexually transmitted infections:以下STI)予防のためのコンドーム使用の自己効力感に関連する要因を分析した。対象者の平均年齢は27.5±5.02歳,性交経験率は82.4%であった。避妊をいつも実行している割合は47.5%で,最も多い避妊法はコンドーム法71.9%であったが,91.0%がコンドームを携帯したことがなかった。過去1年間にSTI予防でコンドームを使用した割合は30.1%であった。STI予防のためのコンドーム使用の自己効力感ありの女性の割合は71.5%であった。しかし,そのうち88.8%がコンドームを携帯していなかった。STI予防のためのコンドーム使用の自己効力感は,STIへのおそれの認知,コンドーム使用の負担感,一般性自己効力感,性交経験の有無,STI目的でのコンドーム使用と関連があった。本研究の結果,未婚就労女性に対して,効果的なSTI予防活動を実施するためには以上の関連性を考慮した看護介入の必要性が示唆された。

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