- 著者
-
小村 和久
稲垣 美幸
西川 方敏
中西 孝
早川 和一
唐 寧
楊 小陽
飯田 孝夫
森泉 純
- 出版者
- 地学団体研究会
- 雑誌
- 地球科學 (ISSN:03666611)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.5, pp.335-342, 2007-09-25
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
-
1
環境放射能の観点から能登半島地震発生前後の放射能関連のデータの解析を試みた.解析したのは,輪島市西二又地区で採取した大気浮遊塵中の^<210>Pb,輪島沖50kmに位置する舳倉島のラドン濃度,地震発生後の4月21日から西二又地区で連続測定を実施した空間γ線レベルの3項目である.その結果,地震発生約3週間前から大気浮遊塵試料のラドンの娘核種^<210>Pbの濃度が増加し,地震直前にピークに達した後に低下に転じ,約2週間後にほぼ平常値に回復していたことが分かった.舳倉島のラドンには地震の影響は見られなかったが,西二又における空間γ線レベルはラドンに由来すると考えれる高い値が約6週間後も続き5月中頃に平常値に戻ったことが明らかになった.