著者
鳥羽 陽 本間 千春 宇於崎 和香 Thanyarat CHUESAARD 唐 寧 早川 和一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.23-29, 2014-01-05 (Released:2014-01-31)
参考文献数
24
被引用文献数
2

A high-performance liquid chromatographic (HPLC) method with fluorescence detection was developed for the quantification of polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs) in cigarette mainstream and sidestream smoke particulates. Fifteen kinds of PAHs classified as priority pollutants by the US EPA were quantified with six perdeuterated PAHs as internal standards. The smoke filter samples obtained from 3 brands of cigarettes using standardized smoking conditions were extracted with dichloromethane, and then treated with tandem solid phase extraction cartridges (Silica and Neutral Alumina). The limits of detection ranged from 0.24 to 2.2 pg, and were more sensitive than those by GC-MS. The analytes were quantified by using the internal standards, and the developed method achieved sufficient reproducibility and accuracy. The PAH levels in mainstream and sidestream smoke from 3 cigarette brands were in the range of 0.2 – 305 ng cigarette−1 and 26.4 – 6160 ng cigarette−1, respectively. The total PAH content in sidestream smoke was more than 10 times higher compared with that of mainstream smoke. This method should be useful as an optional analytical method to quantify PAHs in cigarette smoke particulates.
著者
中澤 章 唐 寧 井上 嘉則 上茶谷 若 加藤 敏文 齊藤 満 小原 健嗣 鳥羽 陽 早川 和一
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.69-74, 2017

<p>著者らが開発した繊維状吸着材(DAM不織布)は,両性イオン型高分子であるジアリルアミン‐マレイン酸共重合体(diallylamine-maleic acid copolymer: DAM)を含有し,繊維表面に水和層を形成する.本研究では,悪臭物質の一つである半揮発性有機酸(C1-C5)を対象に水溶液だけでなくガス状でもDAM不織布の吸着特性評価を行った.まず,水溶液中のギ酸はDAM不織布の水和層へ溶解した後,DAMのイミノ基との静電相互作用で吸着することがわかった.一方ガス状では,ギ酸,プロピオン酸,酪酸,吉草酸,イソ吉草酸について高い吸着能を有し,吸着量は曝露時間に依存して増加する傾向があった.ガス状有機酸に対する吸着も水溶液と同様の機序で生じていると考えられるが,さらに酢酸を除く有機酸の吸着速度定数と空気 / 水分配係数(log <i>K<sub>aw</sub></i>)が良好な相関性を有したことから,DAM不織布は大気中から不織布表面に形成される水和層へ移行性が高い親水性化合物に対するほど高い選択性をもつことが示された.</p>
著者
鈴木 元気 森川 多津子 柏倉 桐子 唐 寧 鳥羽 陽 早川 和一
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.117-122, 2015-03-10 (Released:2015-09-03)
参考文献数
20

首都圏3地点(野毛、九段、つくば)において、野毛および九段では2006~2013年まで、つくばでは2010~2013年までの夏と冬の大気粉塵を捕集し、多環芳香族炭化水素 (PAH) 9種類およびニトロ多環芳香族炭化水素 (NPAH) 3種類をそれぞれHPLC-蛍光検出法、HPLC-化学発光検出法で測定し、その濃度の変遷を明らかにした。PAH濃度は野毛、九段で2006年から2008年の間の冬に低下傾向が認められた。NPAH濃度は、野毛では2006年から2011年の間の夏と冬、九段では2007年から2009年の間の夏および2006年から2011年の間の冬に低下傾向が認められた。つくばでは観測期間が2010年から2013年と短く、PAHとNPAHのいずれについても明確な変動傾向は認められなかった。また野毛および九段で[1-NP]/[Pyr]値の低下が確認され、PAH、NPAH濃度低下の要因の一つとして自動車排ガス規制による粉塵およびNOx排出量の減少が考えられた。
著者
小村 和久 稲垣 美幸 西川 方敏 中西 孝 早川 和一 唐 寧 楊 小陽 飯田 孝夫 森泉 純
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.335-342, 2007-09-25 (Released:2017-05-16)

環境放射能の観点から能登半島地震発生前後の放射能関連のデータの解析を試みた.解析したのは,輪島市西二又地区で採取した大気浮遊塵中の210Pb,輪島沖50kmに位置する舳倉島のラドン濃度,地震発生後の4月21日から西二又地区で連続測定を実施した空間γ線レベルの3項目である.その結果,地震発生約3週間前から大気浮遊塵試料のラドンの娘核種210Pbの濃度が増加し,地震直前にピークに達した後に低下に転じ,約2週間後にほぼ平常値に回復していたことが分かった.舳倉島のラドンには地震の影響は見られなかったが,西二又における空間γ線レベルはラドンに由来すると考えれる高い値が約6週間後も続き5月中頃に平常値に戻ったことが明らかになった.
著者
小村 和久 稲垣 美幸 西川 方敏 中西 孝 早川 和一 唐 寧 楊 小陽 飯田 孝夫 森泉 純
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.335-342, 2007-09-25
参考文献数
5
被引用文献数
1

環境放射能の観点から能登半島地震発生前後の放射能関連のデータの解析を試みた.解析したのは,輪島市西二又地区で採取した大気浮遊塵中の^<210>Pb,輪島沖50kmに位置する舳倉島のラドン濃度,地震発生後の4月21日から西二又地区で連続測定を実施した空間γ線レベルの3項目である.その結果,地震発生約3週間前から大気浮遊塵試料のラドンの娘核種^<210>Pbの濃度が増加し,地震直前にピークに達した後に低下に転じ,約2週間後にほぼ平常値に回復していたことが分かった.舳倉島のラドンには地震の影響は見られなかったが,西二又における空間γ線レベルはラドンに由来すると考えれる高い値が約6週間後も続き5月中頃に平常値に戻ったことが明らかになった.
著者
亀田 貴之 早川 和一 鳥羽 陽 唐 寧
出版者
金沢大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

本研究は,黄砂表面における多環芳香族炭化水素(PAH)誘導体の二次生成反応について模擬大気実験系を用いた実験を行い,黄砂表面が関与する大気内PAH誘導体生成反応過程を明らかにするとともに,実大気観測によって,長距離輸送中の黄砂表面における有害PAH誘導体生成を検証し,更にそれらによる生体影響の実態解明を試みた。