- 著者
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伊藤 文香
村木 敏明
白石 英樹
- 出版者
- 茨城県立医療大学
- 雑誌
- 茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.43-49, 2007-03
本研究の目的は,利き手と非利き手における包丁操作時の左右の足圧を分析し,非利き手と利き手での差の比較から,立位での当該操作の特徴に基づき,臨床での評価・介入の指針を呈示することである。対象者は包丁を頻繁に使用する右利きの健常女性15名(平均年齢50.1±6.5歳)であった。利き手と非利き手で20秒間,できるだけ速く薄く,きゅうりの輪切りを実施した。パフォーマンス指標(切断枚数と厚さ平均)と足圧分布測定装置を用いて,足底荷重を測定した。パフォーマンス指標では,利き手に片側優位性がみられた(各p<0.001)。足底にかかる左右の荷重は,利き手では有意差はなかったが,非利き手では,右側(非操作側)に有意に荷重が観察された(p=0.0110)。上肢に連動した荷重移動の協調性の阻害が包丁操作の効率性を低下させる一要因であることが示唆された。