著者
中川 正俊 荒木 乳根子 平 啓子
出版者
田園調布学園大学
雑誌
田園調布学園大学紀要 (ISSN:13477773)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-67, 2007-03-17

大学生の年代は多様な精神保健上の問題が発生するため,一次および2次予防を中心とした大学精神保健対策は,学業の円滑な遂行を支援する上でも重要な課題となっている。そのためには,精神保健上の問題を有するか,または将来発生する可能性が高い学生を早期に把握し,精神保健の専門的サポートを行うことが重要である。またその際に,サポートの対象となる学生を的確に把握する方法として,高い感度と特異度を有するスクリーニング基準の確立が求められている。本論では,本学人間福祉学部への2002年度入学者231名を対象に実施したUPI(大学精神健康調査)の結果と,その後の精神保健上の問題発生ならびに学業遂行状況との関連性を検討した。その結果,心理的問題で学生相談室を利用した者や精神疾患を持つ者は,そうでない者と比較してUPIの得点が高く,また学業の遂行に問題があった者も,そうでない者と比較してUPIの得点が高い傾向が明らかとなった。

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