- 著者
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杉本 星子
- 出版者
- 京都文教大学
- 雑誌
- 人間学研究
- 巻号頁・発行日
- vol.7, pp.115-126, 2006
ニュータウンは生活空間であるとともに住宅市場でもある。この市場の基盤となる都市の「トポグラフィー(地形)」は、土地や建物といった物質的なものと、それらに付与され、それらから読み取られる理念やイメージといった想像的なものからなる。それはまた、人びとの社会的行為や関係の遂行を通して産出され、維持され、改変されていく。本稿は、京都府南部に建設された向島ニュータウンのトポグラフィーが、かつてその立地に広がっていた巨椋池の土地の記憶を組み込みながら社会的に構築され、またそれがどのように変わりつつあるかを考察する事例研究である。