著者
柳澤 悠 井上 貴子 杉本 良男 杉本 星子 粟屋 利江 井上 貴子 杉本 良男 杉本 星子 粟屋 利江
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、耐久消費財の浸透など消費パターンの変化が、インド農村の下層階層においても生じていること、変化は単なる物的な消費財の面に限らず、教育、宗教活動などに広がっていること、消費の変化は階層関係など社会関係の変容や下層階層の自立化によって促進されていること、またその変動は1950-60年代から徐々に生じていると推定されること、農村消費の変化が産業へ影響を及ぼしていることなどを、明らかにした。
著者
深澤 秀夫 内堀 基光 杉本 星子 森山 工 菊澤 律子 飯田 卓
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

2002年から2006年に渡り、研究分担者それぞれが、マダガスカルを中心に、<マダガスカル人>と深い歴史的あるいは政治-経済的な繋がりを持つフランス、レユニオン、モーリシャス、マレーシアの各地域において実地調査を行い、資料を独自に収集した。2002年にマダガスカルにおいては、地方独立制を導入した大統領を選挙で破り、新大統領が就任した。しかしながら、新大統領も地方独立制政策を継承したのみならず、顕著な新自由主義的な経済政策を採用したため、マダガスカルに生活する人びとの間における貧富の格差はこの調査期間中にさらに増大し、生活のための資源の獲得をめぐる競争はますます激化する様相を呈している。このような生活をめぐる状況の中で、私たちが調査を行ってきたマダガスカルの人びとが資源の獲得と配分について共通に生み出しつつある生活戦略の特徴は、<アドホック>と<小規模性>の二語に集約されるであろう。経済学のようなマクロな視点から捉えるならば、このような単語には効率化や計画性の対極に位置されるべき否定的な属性だけが付与されるかもしれない。けれども、<生活者>としての個体に視点を据えるならば、経済学的な<資本>を持たない人びとにとって、自分の身近にあるありとあらゆる<物>を生存資源とし、さらには売買される<商品>と化すことの可能性を常に保持しておくことこそが、あたかも自己の手の届かないところから突然降ってくるような米をはじめとする物価の急上昇および法律と言う名で課せられるさまざまな拘束あるいは剥奪に対し、自己の生存を保障してくれる唯一と言ってよい生活戦略に他ならない。現在の政治・経済状況の中では、国家公務員でさえこのような生活戦略と無縁ではない。一つの生産活動や生活形態に依存しないこと、何時でも他の生産活動や生活形態に従事したり移行したりすること、余剰生産を目指すわけではないが余剰のある時はその物をすばやく<商品>として提供すること、このような生活様式は、農村であれ都市であれ現代マダガスカルの大半の人びとの中に、深くしみこんだものである。それゆえ現代マダガスカルの人びとの間では、めまぐるしく<資源>となる物が新しく登場しあるいは移り変わっている。本研究は、このような現象に対し一つの道筋をつけたと言えるが、人間の想像力が生み出す多彩な生活戦略の一端に触れたにすぎず、さらなる資料の蓄積と分析の深化が必要である。
著者
杉本 星子
出版者
京都文教大学
雑誌
人間学研究
巻号頁・発行日
vol.7, pp.115-126, 2006

ニュータウンは生活空間であるとともに住宅市場でもある。この市場の基盤となる都市の「トポグラフィー(地形)」は、土地や建物といった物質的なものと、それらに付与され、それらから読み取られる理念やイメージといった想像的なものからなる。それはまた、人びとの社会的行為や関係の遂行を通して産出され、維持され、改変されていく。本稿は、京都府南部に建設された向島ニュータウンのトポグラフィーが、かつてその立地に広がっていた巨椋池の土地の記憶を組み込みながら社会的に構築され、またそれがどのように変わりつつあるかを考察する事例研究である。
著者
杉本 大三 井上 貴子 杉本 良男 杉本 星子 柳澤 悠 粟屋 利江 Anandhi Shanmugasundaram
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

インドにおける消費生活の変化を、食料や衣服などのモノの消費、宗教に関連する消費、タミル語雑誌広告などの面から多面的に検討してインドの消費市場の急激な拡大を実証するとともに、そこに表れた社会の構造的変化を浮き彫りにした。また、都市部貧困層の消費生活を分析し、低品質・低価格品への選好が強いことなどの特徴を明らかにしたうえで、そうした消費パターンが、多くの都市部貧困層の出身地である農村部のそれと共通していることを示し、都市・農村間の人的・物的循環がインドの消費市場のあり方を強く規定していること、このことが今後のインドの消費市場の発展を制約する要因となりうることなどを指摘した。
著者
柳澤 悠 井上 貴子 杉本 良男 杉本 星子 杉本 大三 粟屋 利江
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

タミルナード州、パンジャーブ州の村落調査および産業調査、現地語の新聞・雑誌や自叙伝等の分析、及び全国標本調査の分析を行い、耐久消費財は農村貧困階層にも相当程度普及し、教育や家族関係などに構造的な変動が起っていることを明らかにした。さらに、農村下層階層の安価な工業製品への消費拡大が、零細企業による工業生産の拡大を支えていることや、地域の消費変動が工業発展の重要な基礎となっていることを明らかにした。