著者
小保方 晶子 無藤 隆
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.3, pp.65-73, 2006

本研究は、中学生2743名に質問紙調査を行い、中学生の非行傾向行為と抑うつとの関連について、ストレッサーとコーピングから検討を行なった。日常生活のストレッサーは、非行と抑うつの両方と関連していたが、非行があり抑うつが高い子どもは、非行があり抑うつが低い子どもより、「先生ストレッサー」「親ストレッサー」が高かった。「学業ストレッサー」は差がみられなかった。コーピングは、「積極的対処」「サポート希求」が低く、「逃避・回避的対処」が高いことが明らかになった。次に、ストレッサーが非行と抑うつの各々に対して、どの程度影響を与えているのか、共分散構造分析を用いて、直接比較を行った。その結果、日常生活のストレッサーは、「非行傾向行為」より「抑うつ」に対しての方が影響力が強いことが明らかになった。また、「ストレッサー」から「抑うつ」に対する影響力は、男子と比較し女子の方が強かった。さらに「ストレッサー」から「非行傾向行為」の影響力は、1年生男子と3年生女子が、他の集団と比較し弱いことが明らかになった。

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