著者
久保田 貢
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.467-478, 2007-12

大学の教育学研究者が、教育基本法「改正」をはじめ新自由主義的教育改革に、加担した責任があるのではないか。「教員養成GP」などの競争的資金は新自由主義的教育改革の一環である。これを獲得することは、「全体の奉仕者性」を見失い、教育の不平等をもたらしている。教育政策への批判的研究を封じ込まれることにもなる。大学と教育委員会との連携にも問題がある。東京教師養成塾や名古屋市スクールボランティア制度のように、疑問の多い企画に対して、大学はこれを抑止するどころか学生を送り出している。自分の大学からの教員採用数を増やしたいがために、教育委員会との連携が一線を越えたものとなってしまっている。このままでは、かつて教育学者が自らの戦争責任を深く反省したのと同じように、いつか自らの責任を問い直すことになるのではないか。平和のための科学とは何か、「市民社会」に対する大学の教育・研究の責任とは何かを再考すべきである。

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[資料] 『教育改革と教育学研究者の責任 : 大学改革と教員養成を中心に(<緊急特集>「改正」教育基本法下における改革の展開と実践の再構築)』(久保田貢、教育学研究 74(4), 2007)

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[資料]『教育改革と教育学研究者の責任 : 大学改革と教員養成を中心に(<緊急特集>「改正」教育基本法下における改革の展開と実践の再構築)』(久保田貢、教育学研究 74(4), 2007) / “CiNii 論文 -  教育改革と教育…” http://t.co/NRyO7LRs

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