- 著者
-
木村 啓子
- 出版者
- 尚美学園大学総合政策学部
- 雑誌
- 尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
- 巻号頁・発行日
- no.13, pp.1-12, 2007-03
外国語を学習するにあたり、さまざまな学習ストラテジー(方略)を使用することが語学上達に効果的であると言われているが、本研究では2年度に渡る本学のニュージーランド短期語学研修参加者19名を実験群、同研修に参加しなかった本学学生24名を統制群とし、約3週間の英語圏滞在により、参加学生の英語学習ストラテジーの使用度に変化が認められるか、また変化があるとすると、その変化は学生に定着したものなのか、加えて、本学の被験学生はどのようなストラテジーを多く使う傾向にあるのかを言語学習ストラテジー調査(SILL)を用い、統計分析を施して調査した。結果は、研修前には学習ストラテジー使用度において統計的に同質であった両群が、研修後には実験群が統制群に比べ、ストラテジー使用度が有意に高くなっており、3週間の英語圏滞在により学生のストラテジー使用が活発になることがわかった。しかもその変化はある程度定着したものであるという結果が出た。また、本学の被験学生は記憶ストラテジーや情意ストラテジーよりも、補償ストラテジーを有意に多く使う傾向にあることが検証された。