著者
木村 啓子
出版者
関東甲信越英語教育学会
雑誌
関東甲信越英語教育学会誌 (ISSN:21858993)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.53-65, 2012-03-01 (Released:2017-07-14)

The purpose of this study is to investigate the changes of the writing proficiencies that occur in participants of a three-week overseas program making use of a STEP test and an essay writing. In order to observe the differences in their essays written before and after the program, not only T-units and Error-free T-units (EFTs) but also "Global-error-free T-units (GEFTs)" (Kimura, 2011) were utilized. The scores of writing section in STEP test significantly increased. Regarding the writing proficiency, their fluency considerably improved, but no progress was shown in accuracy. Aiming to find the affective factors that influenced such changes, a Willingness to Communicate (WTC) scale questionnaire was implemented. Results showed that the participants' WTC scores did not necessarily correlate to their language performances and that those who showed lower WTC scores before the program tended to demonstrate higher improvements in their scores. Another finding was that the significantly different two groups in WTC scores before the program became homogeneous ones after the program, probably because those of the lower group went up through their experiences they had in the overseas country.
著者
木村 啓子 Keiko KIMURA 尚美学園大学総合政策学部
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.77-85, 2017-03-31

大学の英語嫌いの学習者の多い英語再履修クラスで、英語への抵抗感を軽減させ、かつ学習効果を上げる試みとして、絵本からの英語多読と多読本の音読等を取り入れて英語のインプット量を増大させることを目標とした授業を1 セメスター間実施した。学期開始時と終了時に行った英語テストの結果をノンパラメトリックテストにかけた結果、9 名という少人数であったこともあり、統計的有意差は確認できなかったものの、英語力向上の効果量は大であることが判明した。また学期終了時に実施したアンケート調査の結果、英語嫌いの度合いが改善されたことが分かった。
著者
木村 啓子
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-12, 2007-03

外国語を学習するにあたり、さまざまな学習ストラテジー(方略)を使用することが語学上達に効果的であると言われているが、本研究では2年度に渡る本学のニュージーランド短期語学研修参加者19名を実験群、同研修に参加しなかった本学学生24名を統制群とし、約3週間の英語圏滞在により、参加学生の英語学習ストラテジーの使用度に変化が認められるか、また変化があるとすると、その変化は学生に定着したものなのか、加えて、本学の被験学生はどのようなストラテジーを多く使う傾向にあるのかを言語学習ストラテジー調査(SILL)を用い、統計分析を施して調査した。結果は、研修前には学習ストラテジー使用度において統計的に同質であった両群が、研修後には実験群が統制群に比べ、ストラテジー使用度が有意に高くなっており、3週間の英語圏滞在により学生のストラテジー使用が活発になることがわかった。しかもその変化はある程度定着したものであるという結果が出た。また、本学の被験学生は記憶ストラテジーや情意ストラテジーよりも、補償ストラテジーを有意に多く使う傾向にあることが検証された。
著者
木村 啓子
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.17-30, 2011-12-01

本研究の目的は、3週間の海外短期語学研修の効果を検証することである。研修前後に4部門(文法、作文、読解、リスニング)計75問の英語テストと15分のエッセイライティングを参加者14名に課した。木村(2009)ではリスニングに研修前後の有意差が確認できた為、今回は研修途中にも2回テストを行い、どの時点でリスニング力に伸びが認められるかを測定する試みも行った。ライティングの評価には、多くの研究者が使用しているT-unit、Error-free T-unitの他に、習熟度の低い学習者のライティング力評価には有用である可能性があると考え、新たな試みとして独自に、"Global-error-free T-unit" を導入してみた。英語テストの結果は、学生の作文、リスニング、総合点において有意差が認められたが、研修途中でのリスニングの伸びは確認できなかった。ライティングに関しては、accuracy(正確さ) には向上が見られなかったが、fluency(流暢さ) には大きな向上が認められた。