著者
石井 満 門田 幸久
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報学部紀要 (ISSN:13471023)
巻号頁・発行日
no.3, pp.1-16, 2004-03

テレビジョン放送の歌謡番組では、カメラワークとスイッチングの技法を駆使して、歌手などがスタジオにて演奏、歌唱する様子が撮影される。これらの独特な映像表現の機能について楽曲分析を交えた事例研究によって考察した。歌謡番組の撮影は、被写体の変化が少ない中で歌手の顔を良く見せ、音楽の流れにそった形で変化をつけるという繰り返しが基本構造である。この冗長性を緩和するためにも多彩な構図と動きのあるカメラワークや印象的なショットの接続が必要とされる。事例においても音楽の高揚を表現するため、アップショットの提示と近接する動きが多用されていたが、これらの必然的な強調にも音楽の構造に基づく段階がある。限られたカメラ台数によってなされる撮影技法のバリエーションでは適切な表現と冗長性の緩和の両立は難しい。

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