著者
田中 慎吾 藤田 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.542, pp.79-84, 2008-03-05
参考文献数
9

観察者から物体までの距離が変化するとその物体の網膜投影像の大きさが変化するにも関わらず、ヒトはその物体の大きさをほぼ一定であると知覚することができる。これは大きさ恒常性と呼ばれる知覚現象であり、脳は網膜投影像の大きさと物体までの距離を用いて、物体の大きさを計算していると考えられている。本研究では距離情報として両眼視差に注目し、サルV4野における両眼視差表現と大きさ表現の関係を調べた。単一細胞活動を記録した結果、約半数の細胞で両眼視差選択性と大きさ選択性の間に相互作用がみられた。この相互作用は、ヒトを被験者として行った心理物理学実験の結果と一致していた。これらの結果は、大きさ恒常性に対するV4野の寄与を示唆する。

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