著者
藤田 一郎
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.147-153, 1992-05-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
27
被引用文献数
1

Barn owls localize sound most accurately among all animals. Studies on the brain mechanisms of their sound localization represent a case where many important questions in sensory physiology can be addressed in a straightforward way. This article will review our current understanding of how neurons in the owl's auditory system create their selectivity to position of sounds.
著者
土井 泰次郎 藤田 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.457, pp.1-6, 2005-12-09
参考文献数
13

知覚に相関した神経活動を探るために, 強制2択課題を用いて弁別閾値付近でのサルの知覚判断のゆらぎとニューロン活動のゆらぎとの相関を調べる研究が多くなされている.しかし閾値付近では自覚的な知覚がなくとも弁別の成績が良いことがあるので, より直接的に知覚に相関した神経活動を求めるにはサルに検出課題をさせる必要がある.そこで本研究ではサルに図形検出課題を訓練し, この課題を遂行中のサルの下側頭皮質からニューロン活動を記録した.サルの刺激検出の成否とニューロン活動のトライアル間変動の相関を信号検出理論にもとづいて評価したところ, 下側頭皮質のニューロン活動のゆらぎは刺激の検出の成否と有意に相関していた.この結果は, 下側頭皮質の神経活動が「刺激の形が見えている」というアウェアネスに関わっていることを示唆している.
著者
田辺 誠司 藤田 一郎
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 = The Brain & neural networks (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.64-73, 2004-06-05
参考文献数
50

The stereo vision system derives a 3D representation of the visual world from a pair of 2D representations of retinal images. For this well-defined computational task, stereo vision serves as a model system for investigations of the neural mechanisms of visual perception. Computational ideas merge with neurophysiological data of single neuron responses in the monkey visual cortex. Area V1 performs initial filter-like processing, but this alone is not sufficient for all aspects of stereo vision. Several higher visual areas play important roles. Recent findings suggest that areas along the dorsal and ventral pathways have complementary functions in stereopsis.
著者
田中 慎吾 藤田 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.542, pp.79-84, 2008-03-05
参考文献数
9

観察者から物体までの距離が変化するとその物体の網膜投影像の大きさが変化するにも関わらず、ヒトはその物体の大きさをほぼ一定であると知覚することができる。これは大きさ恒常性と呼ばれる知覚現象であり、脳は網膜投影像の大きさと物体までの距離を用いて、物体の大きさを計算していると考えられている。本研究では距離情報として両眼視差に注目し、サルV4野における両眼視差表現と大きさ表現の関係を調べた。単一細胞活動を記録した結果、約半数の細胞で両眼視差選択性と大きさ選択性の間に相互作用がみられた。この相互作用は、ヒトを被験者として行った心理物理学実験の結果と一致していた。これらの結果は、大きさ恒常性に対するV4野の寄与を示唆する。
著者
田中 宏喜 藤田 一郎
出版者
秀潤社
雑誌
細胞工学 (ISSN:02873796)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.969-979, 1998-06
著者
藤田 一郎
雑誌
小児の精神と神経 (ISSN:05599040)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.321-322, 2011-12-30
参考文献数
1
著者
池添 貢司 森 理也 喜多村 和郎 田村 弘 藤田 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.108, pp.59-64, 2012-06-21
参考文献数
11

一次視覚野(V1)の神経細胞は方位選択性を持ち、方位選択性の強さは細胞によって異なる。方位選択性細胞はその最適方位に従って皮質内で規則的に配列している。本研究では、サルV1で2/3層細胞の選択性の強さが細胞周辺の方位マップの構造、特に局所領域内の細胞が持つ最適方位の多様性と関係するかを検討した。本研究では、鎮痛不動化したサルにおいて方位刺激に対する個々の細胞の応答を2光子カルシウムイメージングで計測した。互いに似た最適方位を持つ細胞が集まる領域では様々な方位選択性をもつ細胞が集まっていたが、互いに異なる最適方位を持つ細胞が集まる領域では方位選択性の弱い細胞が集まっていた。この結果から、サルV1細胞の方位選択性は細胞周辺の方位マップと関係することが示唆される。
著者
藤田 一郎
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

V4野において、相対視差の検出と両眼大域対応の計算がなされており、また個々の細胞の活動が、動物の示す奥行き判断と相関すること、背景からわずかに手前に飛び出した視覚特徴を検出するのに適した性質を持つことを見出した。また、下側頭葉皮質の細胞の活動発火頻度が、「形の見え」という意識的な知覚と相関して変動することを見出した。これらの発見により、物体および奥行きの知覚に関わる神経機構の理解が大きく進展した。
著者
藤田一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.7, pp.1-1, 2013-05-10

私たちの脳の重さはおよそ 1.3kg.体重のほんの 2-5%に過ぎない.この小さな臓器が,精神を含めた私たち人間の活動のすべてをコントロールしている.遊びも喜びも科学探求も経済判断も.「見る」 こともその一つである.世界を見ているのは目と脳の共同作業であり,私たちが見る世界は,脳が作り出したものである.本講演では,様々な不思議な画像や動画を見て 「脳が見ている」 ことを実感しながら,その背景で起きている情報処理過程について考える.脳は無地ではない.まるで現代アートのような美しい模様が脳の中にある.その模様と情報処理の関係についても述べよう.
著者
筒井 義郎 大竹 文雄 藤田 一郎 晝間 文彦 高橋 泰城
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

時間割引は多くの経済実験において、少額を早く受け取るオプションと多額を遅く受け取るオプションのどちらを選択するか、というタスクで測定される。本研究課題は、(1)遅れ(現在から最初のオプションまでの時間)と期間(2つのオプションの間の時間)を明示的に分離して、それぞれが時間割引に与える効果を特定する、(2)喫煙が時間割引に対してもたらす効果について明らかにする、という2つの課題を主たる目的とする。(1)については、これまでに行った実験の結果を論文にまとめ、本年度6月にJournal of Risk and Uncertaintyに掲載した。(2)については、昨年度早稲田大学で行った、非喫煙者と喫煙者、断煙者と非断煙者を比較する実験の結果を分析した。その結果、喫煙者は非喫煙者に比べて高い時間割引を示すことが明らかにされた。また、断煙者は非断煙者よりも、お金に対しては高い割引率を示すが、タバコについては、むしろ忍耐強くなるという結果を得た。この後者の結果の頑健性については疑問があり、詳細な実験条件設定に問題がある可能性を検討して、それらを改良した実験を本年1月と2月に大阪大学において実施した。その結果は現在解析中であるが、おおむね、喫煙者は非喫煙者に比べて高い時間割引を示す点にでは早稲田実験と同じである。断煙者と非断煙者を比べると、お金については両者の時間割引には差がなく、タバコについては、断煙者の方がよりせっかちになるという結果が得られた。今年度の実験結果の方が直観に整合的であるが、両方の結果をどのようにまとめていくかは検討中である。一方、fMRI実験については、早稲田大学健康科学部の正木教授の協力が得られ、本年2月と3月に、異時点間選択を行っている喫煙者の脳画像を撮像した。引き続き、行動実験の結果をまとめつつ、断煙者および非喫煙者についても撮像していく。