著者
森住 哲也 木下 宏揚 辻井 重男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.71, pp.97-102, 2008-07-17

この論文は,"多元的価値を持つ SNS 的な community (社会システム)" に組み込む情報フィルタ agent を設計する上で,なぜ哲学的考察が関与するのか,に関して述べる. agent は,covert channel を分析し,アクセス制御する. (1) セマンティック Web の情報検索やデータベース・スキームに使われる RDF (Resource Description Framework) は,『客体の存在の枠組みと,主体のアクセス行為の枠組みをグラフとして記述する"意味ネット"』 と見做せる. (2) 一方,主体の代理となってデータベースを管理する agent は 主体の認識行為,存在に対する主体の向き合い方が反映されなければならない. (3) しかし, agent は他の agent の意味ネット,即ち存在論と認識の規則が全て分かるわけではない.また, agent は自己自身に関しても世界の全てを意味ネットで記述可能ではない.(4) 従って, agent システムは,"RDF (意味ネット)で推論する agent の振舞い"に関して,存在論と認識論をオートポイエシス的なシステムの中で捉える必要がある.更に論文では,RDF をベースとするアクセス制御の哲学と,情報倫理との連関を指摘する.This paper describes why philosophical consideration takes part in designing information filter agent built into "SNS community (social system) with pluralistic value". Agent analyzes covert channel, and executes the access control. (1) RDF (Resource Description Framework) used for information searching and the data base scheme of semantic Web can be considered to be ' "semantic net" which describes the frame of the existence of the objects and the frame of the access act of the subjects as a graph'. (2) On the other hand, it is necessary to reflect the recognition act of the subject and the interpretation of existence by subject in agent which manages data base as deputy of subject. (3) However, agent doesn't understand all the semantic nets of other agent (that is, rule of existence and recognition).Moreover, agent cannot describe everything in the world with the semantic net for oneself. (4) Therefore, it is necessary to consider the agent system by ontology and epistemology in autopoietic system for "behavior of agent inferred with semantic net" And the relation between the philosophy of the access control based on RDF and information ethics is pointed out in this paper.

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