著者
清水 孝治 戸田 瑛人 木下 宏揚 森住 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.331, pp.7-12, 2008-11-28

本論文では,地域SNS上で電子地域通貨を使うことを想定したうえで,既存方式に加えて新たに人間関係ダイアグラムを用いた評価指標を導入する。既存方式の尺度だけではユーザがどれだけ信頼できるかを計るに不十分だったが、この評価を導入することで,周りからの評価値を、より信頼性のあるものとして提示できるようになった。
著者
森住 哲也 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.68, pp.25-34, 2005-05-13
被引用文献数
8

現代社会に潜む情報漏えいと改ざんの問題について, インターネットをツールとする情報処理システムをアクセス制御の視点から考察する.考察対象とする社会システムは, ルーマンの社会システム論をベースとし, 意味生成の過程に対してはクリステヴァのテクスト理論的な見方を導入する.ルーマンの機能分化的社会システムにあって, テクストとしての情報はCovert Channelを必然的に引き起こす性質を内包しており, これがオートポイエーシス的社会システムの瓦解に結びつくことを示す.次に, "Community Based Access Control Model"をルーマンの社会システム理論の概念的枠組みをベースとしたモデルへと発展させる.そして, 機能的に分化したコミュニティに於いて, アクセス権限の分析と制御を実行する社会装置としてのコンセプトを示す.
著者
森住 哲也 鈴木 一弘 能登 正人 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.363, pp.35-40, 2011-12-10
被引用文献数
1

"変動的秩序"の中に公私の価値の循環を実現するクラウドシステムにおいて,行為の連鎖をひとまとまりのParticleと見做す群知能システムは,ウィトゲンシュタインの"言語ゲーム的概念"を持つのかもしれない.即ちその問いは次の通りである.群れのパラメータをどのように観察したらよいか.個々のパラメータをどのように調整すればシステム全体が調和するのか.そのようなメカニズムは,ほんとうに"善く生きること"に繋がるのか.群知能のパラメータは,ある種の超越的な"善く生きること"に結びついているのではないか.本論文の主張は次の通りである.行為のparticleを群れと見做すとき,群知能のパラメータは心の問題に関わる進化的な言語ゲームの概念に繋がる.そしてそれは,ソクラテスがいう"善く生きることの一つ"に違いない.
著者
上鍋 秀幸 能登 正人 森住 哲也 木下 宏揚
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.1L2R71, 2012 (Released:2018-07-30)

近年,我々はインターネットを通じて様々な情報のやり取りを行っている.このようなインターネット社会では,実社会と同様に多種多様な人間の価値観が存在するが,この価値観を社会シミュレーションモデルにおいて表現することは簡単ではない.本研究では,インターネット社会での人々の価値観の違いによる情報伝播の影響を分析するために,群知能アルゴリズムを用いたエージェントベースの社会シミュレーションモデルを提案する.
著者
森住 哲也 木下 宏揚 辻井 重男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.71, pp.97-102, 2008-07-17

この論文は,"多元的価値を持つ SNS 的な community (社会システム)" に組み込む情報フィルタ agent を設計する上で,なぜ哲学的考察が関与するのか,に関して述べる. agent は,covert channel を分析し,アクセス制御する. (1) セマンティック Web の情報検索やデータベース・スキームに使われる RDF (Resource Description Framework) は,『客体の存在の枠組みと,主体のアクセス行為の枠組みをグラフとして記述する"意味ネット"』 と見做せる. (2) 一方,主体の代理となってデータベースを管理する agent は 主体の認識行為,存在に対する主体の向き合い方が反映されなければならない. (3) しかし, agent は他の agent の意味ネット,即ち存在論と認識の規則が全て分かるわけではない.また, agent は自己自身に関しても世界の全てを意味ネットで記述可能ではない.(4) 従って, agent システムは,"RDF (意味ネット)で推論する agent の振舞い"に関して,存在論と認識論をオートポイエシス的なシステムの中で捉える必要がある.更に論文では,RDF をベースとするアクセス制御の哲学と,情報倫理との連関を指摘する.This paper describes why philosophical consideration takes part in designing information filter agent built into "SNS community (social system) with pluralistic value". Agent analyzes covert channel, and executes the access control. (1) RDF (Resource Description Framework) used for information searching and the data base scheme of semantic Web can be considered to be ' "semantic net" which describes the frame of the existence of the objects and the frame of the access act of the subjects as a graph'. (2) On the other hand, it is necessary to reflect the recognition act of the subject and the interpretation of existence by subject in agent which manages data base as deputy of subject. (3) However, agent doesn't understand all the semantic nets of other agent (that is, rule of existence and recognition).Moreover, agent cannot describe everything in the world with the semantic net for oneself. (4) Therefore, it is necessary to consider the agent system by ontology and epistemology in autopoietic system for "behavior of agent inferred with semantic net" And the relation between the philosophy of the access control based on RDF and information ethics is pointed out in this paper.
著者
森住 哲也 鈴木 一弘 木下 宏揚
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.3, pp.1-8, 2010-05-15
被引用文献数
1

インターネットで情報流を制御する複雑系のエージェントを提案する.着眼点は,「公共性と私性に関する価値が,公私の間を循環するとき,相互の矛盾が情報漏洩・情報改竄の問題を引き起こす.」 と観る事である.本論文では,マルチエージェントの相互作用を,哲学と社会システム論の視点から捉え,その人文科学的見地を情報流制御に反映させる.情報流は,本論文で新たに定義する色彩循環のアナロジーとして記述され,マルチエージェント・シミュレータによって制御パラメータを解明する枠組みを示す.It proposes the agent of complex systems to control the information flow on the Internet. When the publicity value and the privacy value circulate between them, the contradiction of each other causes the problem of the information leakage and the information falsification. In this paper, the multi agent's interaction is caught from the aspect of the philosophy and the social system theory, and the cultural science viewpoint is reflected to the information flow control. The information flow is described as an analogy of the color circulation defined newly in this paper, and shows the frame to which the control parameters are clarified with the multi agent simulator.
著者
森住 哲也 鈴木 一弘 木下 宏揚
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2010-CH-86, no.3, pp.1-8, 2010-05-15

インターネットで情報流を制御する複雑系のエージェントを提案する.着眼点は,「公共性と私性に関する価値が,公私の間を循環するとき,相互の矛盾が情報漏洩・情報改竄の問題を引き起こす.」 と観る事である.本論文では,マルチエージェントの相互作用を,哲学と社会システム論の視点から捉え,その人文科学的見地を情報流制御に反映させる.情報流は,本論文で新たに定義する色彩循環のアナロジーとして記述され,マルチエージェント・シミュレータによって制御パラメータを解明する枠組みを示す.
著者
森住 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.244, pp.5-10, 2014-10-07

振舞いの群れは<仮面>である.<私>の振舞いとは<私>の<仮面>である.世阿弥の「離見の見」は自他を意識する「進化的多元言語ゲーム」を<私>が解釈する概念と見做せる.振舞いの群れはまた<仮面>の裏側であり,振舞いの中核は<仮面>である.<仮面>の差異が「花」となる.そして<仮面>の裏を形成するもの,そして<仮面>の差異を形成せしめるものこそが「群知能」である.「言語的規則」と「感覚の論理」を使用する<私>とシステムのインタフェースの枠組みは,「客観の論理」,「受動的な<私>の「感覚の論理」」,「能動的な<私>の「感覚の論理」」である.<仮面>の差異に基づく緊張作用によって振舞いの群れが調和する必要条件は,それぞれの<私>が振舞いの群れとの相互作用を了解することである.振舞いの<仮面>の調和装置は哲学的原理ではなく,<仮面>の振舞いを見えるようにするパターンランゲージである.
著者
森住 哲也 木下 宏揚 寺谷 葉津希 永瀬 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.27, pp.1-8, 2006-03-16
被引用文献数
7

介護医療の情報処理をシステム化する時,個人情報の漏えいや競合するコミュニティ間の情報漏えいが問題になる.対策としてアクセス制御技術を使う場合,アクセス行列では許可されていないはずの情報の内容が伝播するCovert Channelを分析制御する事が重要である.なぜなら,介護・医療と言う社会システムは,機能分化する社会システムの競合的,連携的な環境の中で個人情報が使われるからであり,かつまた個人情報は決して情報漏えいや改ざんされてはならないからである.本稿ではこの問題解決のためにCommunity Based Access Control Modelを適用する事を試み,問題解決の1つの提案とする.When the processing of information on the nursing medical treatment is systematized, information leakage between communities that compete becomes a problem. Moreover, the leakage of individual information becomes a problem further, too. Therefore, the access control is used as these measures. However, it is necessary to analyze the spread of the content of information, which is not permitted by the access procession, and to control. Because individual information is used in the environment that the social system of nursing and medical treatment, into which the function differentiates operates competing and jointly. Individual information that the social system manages moreover, because of not being falsified the information leakage at all. This paper describes to apply Community Based Access Control Model for this problem solving in this text, and assumes the proposal of one of the problem solving.
著者
戸田 瑛人 森住 哲也 鈴木 一弘 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.115, pp.45-49, 2009-06-25

クラウドはインターネット内にあるリソースの関係が述語論理で記述され,そこに名前空間が関係付けられた論理システム,即ち,意味論である.近い将来,個人情報や企業機密を含んだリソースもクラウドのシステムに組み込まれる事が十分考えられ,covert channelと呼ばれる不正通信路による情報漏えいが危惧される.そこで,covert channelを分析するセキュリティモデルとクラウドを如何にして対応付けるかが課題となる.また、大規模クラウドに於けるcovert channel分析は,計算量が膨大になる事が考えられるため、covert channel分析を分散化する事が必要である.本論文では,Googleが採用している大規模検索エンジン"Hadoop"をクラウドにおけるエージェントシステムのリソース収集・整理ツールとして応用し、さらにセキュリティモデルを実装したエージェントと融合させたシステムを提案する.また、その際に生じるいくつかの課題を示す.
著者
戸田 瑛人 森住 哲也 鈴木 一弘 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.113, pp.45-49, 2009-06-25

クラウドはインターネット内にあるリソースの関係が述語論理で記述され,そこに名前空間が関係付けられた論理システム,即ち,意味論である.近い将来,個人情報や企業機密を含んだリソースもクラウドのシステムに組み込まれる事が十分考えられ,covert channelと呼ばれる不正通信路による情報漏えいが危惧される.そこで,covert channelを分析するセキュリティモデルとクラウドを如何にして対応付けるかが課題となる.また、大規模クラウドに於けるcovert channel分析は,計算量が膨大になる事が考えられるため、covert channel分析を分散化する事が必要である.本論文では,Googleが採用している大規模検索エンジン"Hadoop"をクラウドにおけるエージェントシステムのリソース収集・整理ツールとして応用し、さらにセキュリティモデルを実装したエージェントと融合させたシステムを提案する.また、その際に生じるいくつかの課題を示す.