著者
Bauer Tobias 萩野 蔵平
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.41-58, 2008-03-14

『健康の庭』 (Gart der Gesundheit) は、中世において最も影響力のあったドイツ語による本草書の一つで1485年に刊行されている。その論述は、ヒポクラテスやガレノスといった古代の医学者によって整備された「体液病理説」 (Humoralpathologie) に基づいている。その学説とは、身体の健康や病気を体液あるいは構成要素の均衡や不調和によって説明する理論である。本稿では、『健康の庭』から第1部の「序章」と第4部の「検尿」をとりあげ、体液病理説が中世の医学や予防医療においてどのような役割をはたしていたかを論じた。

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