著者
山田 美香
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.83-95, 2008-06

本論文は、植民地時期台湾における少年刑務所行刑をふまえ、看守、教誨師について論じるものである。とくに刑務所内で教育に従事した教誨師や看守がどのような経歴を持っていたのか、また警察官及司獄官練習所について論じる。それによって彼らが行刑教育に如何に関わったのかを明らかにする。台湾では、看守となる者の経歴は多様であったが、基本的に刑務所看守という職業の性質上、軍隊経験者、台湾に通じた者が採用された。他の職業から中途採用されるルート、本願寺から派遣された者が本願寺ルートを通して登用試験を受けることなく、総督府の看守となるというルートもあった。また、少数の看守を選抜した監獄官練習所・刑務官練習所では、看守にできる限り法治主義に基づく法律の講義、現地に融合するための台湾語の習得に時間を割いた。教誨師は、本願寺派が多数を派遣した。

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