著者
郭 舜
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.121-151, 2007-03

昨今の地域主義の動きの中では,「共同体」という言葉が頻繁に登場する.しかし,そのような政治的な言説の盛り上がりに比して,地域主義における共同体概念の理論的検討はいまだ不十分であるように思われる.本稿は,そのような理論状況に鑑み,地域主義に焦点を当てつつ,社会理論における共同体概念の理論的な位置付けを探る試みである.それは,ロバート・マッキーヴァーの重層多元的な共同体観の一つの応用例を示すものであり,欧州連合(EU),北米自由貿易協定(NAFTA),東南アジア諸国連合(ASEAN)の3つの地域的な枠組みを具体的に取り上げて比較検討することで,理論の含意を明らかにするとともに,個人と社会の相互的な発展過程において地域主義の果たす役割について一定の展望を提示することを目指す.

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