- 著者
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苅部 治紀
松本 浩一
- 出版者
- 首都大学東京
- 雑誌
- 小笠原研究 (ISSN:03868176)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, pp.135-143, 2008-03
南硫黄島において、25年ぶりの昆虫相調査を実施した。今回は調査日程も5日間と短かったこともあり、各種トラップを併用し、効率的な調査を心がけた。その結果、現在までに同定されたものだけで67種の昆虫が確認され、このうちの22種は島新記録であった。また、島固有とされるミナミイオウヒメカタゾウムシ(固有属種)、ミナミイオウトラカミキリ(固有亜種)は、健在であったが、前者は前回調査で報告されたものと比較して、きわめて少数の確認にとどまった。島の昆虫相については、まだまだ解明度は低く、長期的な環境モニタリングのためにも、今後の調査の充実が望まれるとともに、生態面の調査も進めていくべきであろう。