著者
大室 健治 佐藤 正衛 松本 浩一
出版者
日本経営診断学会
雑誌
日本経営診断学会論集 (ISSN:18824544)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.112-118, 2015 (Released:2016-09-15)
参考文献数
15

本稿では,農研機構が開発した「Web版農業経営診断サービス」(以下,Webサービス)の特徴を詳述したうえで,Webサービスの試行版に対する利用者のユーザ評価結果を整理し,ユーザ要求に沿ったWebサービスの今後の改良方向を提示する。これまで,各種団体が農業経営診断ツールを開発してきているが,それらに共通する課題は,営農類型・規模などを考慮した標準値データベースを持たないため,診断対象の値と標準値との比較考量ができない点にあった。Webサービスは,農林水産省が保有する個票データの解析結果に基づく標準値データベースを内蔵しており,各診断指標についての標準値との比較,ならびに良好・不良などのランク判定が可能である。Webサービスの今後の改良方向は,外部診断者の業務内容に沿った対応,営農類型の特殊性を踏まえた診断手法の組込み,6次産業化などの多角的な農業経営への対応である。
著者
小佐野 仁志 松本 浩一 野口 忠秀 草間 幹夫 櫻井 信司
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.136-139, 2005-03-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
14

A 76-year-old man presented with swelling of the right side of the maxilla. Spindle cell sarcoma was diagnosed on examination of a biopsy sample of the right maxillary sinus. We started CYVADIC (cyclophosphamide, vincristine, adriamycin, dacarbazin) chemotherapy. A favorable clinical response was obtained with 4 courses of chemotherapy. Partial resection of the maxilla was followed by 6 courses of CYVADIC therapy, because a small residual tumor was suspected. Histopathological examination revealed no residual tumor cells.Chemotherapeutic intervention appears to have been effective, with no apparent recurrence of lesions at present, 14 years after chemotherapy.
著者
赤坂 庸子 内藤(古谷野) 浩美 神部 芳則 古谷野 千恵 野口 忠秀 松本 浩一 木村 豊 伊藤 弘人 斉藤 嘉一 村石 三紀 大橋 一之 小佐野 仁志
出版者
Japanese Society of Oral Medicine
雑誌
日本口腔粘膜学会雑誌 (ISSN:13417983)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.36-41, 1996-06-30 (Released:2010-02-25)
参考文献数
23

口腔扁平苔癬と肝機能障害との関連性を明らかにするため, 病理組織学的に扁平苔癬と診断された68症例について, 肝機能との関連を臨床統計的に検討した。(1) 肝機能異常群 (Group 1) は12例 (17. 6%), 正常群 (Group 2) は56例 (82.4%) であった。(2) 性差は Group 2で男性が多く, 平均年齢は差はなかった。(3) 主訴は Group 2に比べ Group 1でしみるが多かった。(4) 既往歴は Group 1で肝疾患, 次いで糖尿病の順で, Group 2では高血圧, 次いで消化器潰瘍であった。(5) 発症部位は両群とも頬粘膜, 舌, 歯肉の順であったが1人平均病変部位数は Group 1は4.8部位, Group 2は2.8部位と明らかに Group 1の方が多かった。(6) 臨床型は Group 1ではびらん型が60.7%と最も多く, Group 2では網状型が多かった。すなわち肝機能異常群はびらん型が多く, 病変が広範囲であることが明らかになった。以上のことから肝機能異常が扁平苔癬の発症・増悪因子として関与している可能性が示唆された。
著者
林 宏美 宇陀 則彦 松本 浩一 二階堂 善弘
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.36-45,46, 2002
被引用文献数
2 1

本論文は道教の教典「正統道藏」に含まれる道教呪術の理論的解説書「道法會元」の電子化実験について報告する。道法會元は宋から元の時代にかけて成立したといわれ、道教の儀式に用いられる符などの図が中心の資料である。歴史資料を電子化する際にはその資料の特徴を考慮した電子化が必要である。道法會元では、図と文字が混在しているという特徴を活かす視点で、図の論理構造を記述する電子化を行い、WWWベ一スの「道法會元」検索システムを実現した。また、電子化作業の際に発生する問題点について考察した。
著者
松本 浩一
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2009-2011
著者
関野 幸二 松本 浩一 横山 繁樹
出版者
独立行政法人農業技術研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

デンマーク、オランダにおける農業技術開発・普及システムの民営化の経過と特徴を整理した。両国における普及(アドバイス)の内容から各経営に即したオーダーメイドのアドバイスが行われていることを明らかにし、それが成立する要因を検討した。また、日本における公的普及システムを概観するとともに、民間型技術普及の実態を施設園芸資材販売会社の取り組みから特徴を整理した。
著者
苅部 治紀 松本 浩一
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.135-143, 2008-03

南硫黄島において、25年ぶりの昆虫相調査を実施した。今回は調査日程も5日間と短かったこともあり、各種トラップを併用し、効率的な調査を心がけた。その結果、現在までに同定されたものだけで67種の昆虫が確認され、このうちの22種は島新記録であった。また、島固有とされるミナミイオウヒメカタゾウムシ(固有属種)、ミナミイオウトラカミキリ(固有亜種)は、健在であったが、前者は前回調査で報告されたものと比較して、きわめて少数の確認にとどまった。島の昆虫相については、まだまだ解明度は低く、長期的な環境モニタリングのためにも、今後の調査の充実が望まれるとともに、生態面の調査も進めていくべきであろう。
著者
松本 浩一 浅野 春二 丸山 宏
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

近年道教研究は、中国文化を理解するにあたっての重要性が認識され、注目を集めるようになっている。しかし中国人の生活・文化のあらゆる面に影響が及んでいる道教の研究を進めるにあたっては、道教を実践する道士ばかりでなく、一般の人々との接点にも目を向け、さらに祠廟の祭典や葬送儀礼あるいは様々な呪術儀礼などの宗教儀礼の意味と、それらを提供する道士をはじめとする様々な宗教職能者の活動の実態、そしてその変遷を実態調査と文献資料の両面からアプローチしていくことが要求される。この研究では、外国人が実態調査を進めるのに制約が少ない台湾を対象とし、台湾の近現代の社会変化を巨視的に押さえた上で、道教と民俗宗教が交差する領域の儀礼・宗教職能者に具体的に現れた変化の相を解明すること、宗教儀礼の文字資料や宗教者の口承資料を努めて収集し分析すること、台湾独自の歴史的動態に即した宗教変化の論点を提起することを目標においた。そして何回かの実態調査と、その際に収集した文献資料とによって、特に彼らの提供する儀礼とその伝承の実態とに関して、それぞれに次のような成果を得ることができた。松本は主として台湾北部の紅頭道士の行う呪術儀礼の実態調査と、その際に用いるテキストの分析を行い、さらにそれらを台湾南部の法師の行う呪術儀礼と比較することによって、儀礼の構造と社会的役割について明らかにすることができた。丸山は南部の高雄・屏東地区の道士について、実態調査と文献の収集を行うことによって、彼らの入門・資格取得儀礼の実態を明らかにし、さらに世代ごとの違いについて比較を行い、彼らに儀礼を依頼した地域の民衆との関わりについても明らかにした。浅野は台南市・高雄県の道士について聞き取り調査を進めるとともに、祠廟の祭祀についての資料を収集し、道士のライフヒストリーとともに、地域の祠廟信仰や家庭祭祀との関係について明らかにした。