著者
湯田 厚司 宮本 由起子 荻原 仁美 服部 玲子 大久保 公裕
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.124-132, 2009

【背景】花粉症に対する舌下免疫療法は,本邦では試験段階として成人例での有用性が報告されている.本法は痛みがなく,通院回数が少ないので,特に小児例で利点が多いと考えられるが,小児スギ花粉症での検討はない.【方法】スギ花粉症患児10例(男児4例,女児6例,平均8.5±2.2歳)に標準化アレルゲンエキス「スギ花粉」(トリイ社製)で舌下免疫療法を行った.投与方法は成人例と同じとし,2000JAUで週1回維持した.初年度の臨床症状を検討した.【結果】全例で安全に在宅投与ができた.初年度スギ花粉飛散期の症状は,全期間で軽症であり,スコアの最大は鼻閉の1.3点であった.救済薬の使用は少なく,10例中3例が無投薬無症状で,2例が5日以内の頓服服用であった.5cm尺度のvisual analog scaleも1cm程度と極めて良好であった.アンケートによる治療の印象は全例良好であった.【結論】少数例でのpilot open studyであるが,小児スギ花粉症にも舌下免疫療法が有効である可能性が示唆された.

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Antigen specific sublingual immunotherapy for pediatric Japanese cedar pollinosis

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