- 著者
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永冨 聡
藤澤 由和
- 出版者
- 静岡県立大学
- 雑誌
- 経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.2, pp.1-13, 2009-03
2008年7月に閣議決定された国土交通省の国土形成計画において「新たな公」を基軸とする地域づくりが掲げられ、我が国では個々の地域における多くの住民参加と、豊かなソーシャル・キャピタルの形成が一層求められる方向性が、ひとつの地域政策の方策として考えられる。本論では、我が国におけるソーシャル・キャピタルの変化を踏まえ、近畿圏の地域的特性について、定量的かつ定性的な把握を試みることにより、当該エリアにおける住民参加のポテンシャルと、それを踏まえた政策的方向性を検証した。その結果、近畿圏では、定量的な把握から、テーマ型活動を介した橋渡し型(bridging)及び職場を介した結合型(bonding)の人間関係の強さに特徴があることが明らかとなった。さらに、定性的な把握を加味した検討から、近畿圏全体としてソーシャル・イノベーションを可能とする人材育成を重視した仕組みづくりの必要性が導かれた。