- 著者
-
稲谷 ふみ枝
津田 彰
村田 伸
神薗 紀幸
- 出版者
- 久留米大学大学院心理学研究科
- 雑誌
- 久留米大学心理学研究 (ISSN:13481029)
- 巻号頁・発行日
- no.7, pp.35-40, 2008
- 被引用文献数
-
1
本研究の目的は,高齢者介護施設職員の精神的健康度に対するワークストレスとその認知的評価の影響を検討することである。対象は,特別養護老人ホームとグループホームに勤務する46名(男性8名,女性38名),平均年齢43.1歳±11.8,平均勤続年数4.4年±2。7である。指標は,(1)GHQ28,(2)離職状況,(3)Zarit介護負担感尺度の改訂版,(4)介護ストレス認知評価尺度・身体的消耗感,(5)仕事の魅力・コントロール・介護信念評価尺度等。対象者のGHQの平均得点は7.6(GHQ法)で全体的に健康度が低く,GHQのハイリスク群の特徴として,年齢が若く主観的健康状態が不良で,仕事以外の心配事を抱えていた。精神的健康度の影響要因として,身体的消耗感,介護負担感の個人負担因子が抽出された。またFollow-up期間中に離職した8名全員が,第1回目調査時のハイリスク群に属していたことが明らかとなった。