著者
藤井 健作 岡 竜一 斎藤 直也 棟安 実治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.874-887, 2009-11-01
被引用文献数
10

音響エコーキャンセラにおいて適応フィルタの係数は,外乱として働く近端話者音声の重畳(ダブルトークと呼ばれる)によって大きく乱される.このダブルトークによる乱れは,エコー経路変動とダブルトークを識別し,前者と判断されたときに大きく,後者と判断されたときにステップサイズを小さく設定することによって抑制できるとされている.しかし,その識別を素早く,また確実に実行することは難しい.本論文では,その識別を行わずに適応フィルタの係数を更新しても推定誤差が安定かつ素早く低減できるステップサイズ制御法を提案する.本制御法の特徴は,別に用意した少ないタップ数の副適応フィルタに大きなステップサイズを与えて得られた残差信号を外乱とみなして利用する点にある.この副適応フィルタによって得られる残差信号は急速に減少し,そのパワーは外乱パワーに素早く漸近する.したがって,そのパワーを外乱パワーとみなしてステップサイズを制御すればエコー経路変動においては大きなステップサイズが,ダブルトークにおいては小さなステップサイズが自動的に設定されることになる.

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今日も引き続きMaxで実装。ダブルトーク区間中においても推定誤差を着実に低減するステップサイズ制御法(藤井 2009) https://t.co/lf9eknFJ0A https://t.co/C2oV8MCb1M

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