著者
八田 真理子 太田 郁子 家坂 清子 蓮尾 豊 北村 邦夫
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Maternal health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.629-636, 2010-01-01
参考文献数
18
被引用文献数
1

低用量経口避妊薬(以下「OC」)がわが国で発売されて10年になるが,いまだその普及率は低率である。一方で,OC服用により性感染症(以下「STI」)の拡大をまねくのではないかと危惧する考え方もある。今回,「OC服用で若者のSTIを拡大させているか」を知ることを目的に臨床現場で調査を行った。全国の避妊教育ネットワークに所属する25の産婦人科施設で受診し,クラミジア抗原検査を受けた29歳以下の女性1,630人に対して,OC服用の有無と性行動について詳細に問診した。その結果,OC服用・非服用間で,初交年齢,パートナー数,コンドーム使用状況などに有意差は認めず,クラミジア抗原陽性率もOC服用者で13.8%,OC非服用者で13.3%と有意差はなく,OC服用者の性行動が活発であるとはいえないことがわかった。OC服用者は,二重防御法の実践や不顕性感染発見のための検査などで定期的に産婦人科を受診していることから,むしろSTI予防や自身の健康管理に対する意識が高いことが示唆された。

言及状況

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(日本では)お金の負担、毎日飲む努力など、ハードルが高い。 なので、ピル服用者(開始準備者)は性感染症予防の知識や意識も高い、が現場レベルでの実感。医療者の関わり方も大切。 CiNii 論文 -  低用量経口避妊薬(OC)は若者の性感染症を拡大させているか https://t.co/qIqWJ2q0kz #CiNii
低用量ピルも広がると性感染症が増えるんじゃないかと懸念の声があったけど、ピル服用している人のクラミジア感染率は高いわけではない。 https://t.co/yFQGI7pVtv もちろん性感染症の普及啓発や性教育もあわせて推進するべきだし、むしろ本業はそっちなのだけど。

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