著者
石井 美保
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
no.5, pp.3-19, 1999-06-03

ラスタファーライはジャマイカの黒人系住民によって形成され、現在アフリカ諸都市で発展している社会宗教運動である。本稿は東アフリカのタンザニアにおけるラスタファーライの展開について論ずる。第一章ではジャマイカにおける運動の歴史と従来の研究について概観する。第二章では、タンザニアにおけるラスタファーライの発展状況を現地調査から紹介する。運動は現在、地方出身の都市出稼ぎ民の間で興隆しており、ジャマイカで形成された信条や生活習慣が継承されている。また彼らは政府援助によってラスタのキャンプ兼農場を建設し、NGO団体として活動している。第三章ではラスタファーライの実践とタンザニアの社会経済状況との関連について考察する。タンザニアにおけるラスタファーライの展開は、現代タンザニアの政治経済状況を社会の基部から照射すると共に、従来ジャマイカや英国を中心としてきたラスタファーライ研究の新たな可能性を提示するものである。

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[CiNii][石井美保][ラスタファリズム][タンザニア][1999]
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