- 著者
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兼子 一
- 出版者
- 「宗教と社会」学会
- 雑誌
- 宗教と社会 (ISSN:13424726)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, pp.39-59, 1999
本論文は、「エホバの証人」(ものみの塔聖書冊子協会)の信者による布教活動がどのように行われているのか、という観点から信者の実践活動に関するフィールドワークの一部をまとめたものである。なお、この調査は1992年から1998年にかけて実施している。この研究は、エスノメソドロジーという研究方法を使用することで、「信仰」というものを相互行為と考え、「布教と受容」の相互反映的なプロセスとして解明することを目指している。ところで、エスノメソドロジーの主な分析方法としては、「会話分析」と「ワークの分析」と呼ばれるものがある。そこで、この論文では、「ワークの分析」と呼ばれる方法を採用することにした。論点として、信者が布教プロセスにおいて、相手を納得させるために、どのようにカテゴリー群を使用していくのか。そして、その語用法が参与観察者である「私」にどのような受容プロセスとして立ち現れていたのか。これらの相互作用プロセスに焦点をあてた。なお、会話分析については別稿を用意している。