著者
古賀 万由里
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
no.7, pp.91-110, 2001-06-17

不幸の説明原理として用いられる概念や技法には、地域や時代により特色が見られる。アフリカでは妖術・邪術、死霊・悪霊などが多く見られ、特に妖術や邪術の場合は、日常の葛藤や対立関係が顕在化する。インドでは「カルマ」(業)理論が浸透しているのが特色である。南インド・ケーララ州北部では、不幸は「ドーシャム」(障り)によると考え、占星術師を訪れて、その解決法を求める。個人的な問題の場合は呪術(マントラワーダム)を、タラワードやコミュニティに関わる問題の場合は、神霊に捧げる儀礼「テイヤム」を行うように指示される。呪術、儀礼、占星術の担い手はカーストによる世襲であり、霊的なるものに関わる職能者はお互いを正当化し、依存関係にある。人々は不幸の原因を、実際の葛藤ではなく、神の怒りや悪霊などに転嫁し、儀礼の中で霊的な力(シャクティ)を様々な力で操作することにより、間接的な解決を図っているといえる。

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こんな論文どうですか? 南インドにおける不幸の除去 : ケーララ州の呪術・儀礼・占星術をめぐって(古賀 万由里),2001 https://t.co/CH8ZLDtYGq 不幸の説明原理として用いられる概念や技法には、地域や時代により特色が見られる…
こんな論文どうですか? 南インドにおける不幸の除去 : ケーララ州の呪術・儀礼・占星術をめぐって(古賀 万由里),2001 http://t.co/zmLnHs9Eya

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