- 著者
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荻原 庸平
小林 辰至
- 出版者
- 日本理科教育学会
- 雑誌
- 理科教育学研究 (ISSN:13452614)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.3, pp.43-56, 2010-03-03
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
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本研究は,初等教員養成課程の学生を対象として,新しく開発した月の運行モデル教材と観測を組み合わせた実践を行い,月の見え方の理解への効果を検討したものである。実践の内容は2つである。1つは月の定時観測の記録であり,学生自身に月の満ち欠けの様子を2週間にわたって記録させた。もう1つは新しく開発したモデル教材を使用した学習である。実践の前後で月の見え方の理解を問う質問紙調査を行った。その結果,以下のことが明らかとなった。(1)「見える月の形が,日によってちがっている理由」について,「月の公転」及び「太陽光の反射」の2つの観点を含めて記述できた学生の割合は,実践前に比べ有意に増加した。(2)「日没後,満月が見えるのはどの方角か」「日没後,三日月が見えるのはどの方角か」「日没後,上弦の月が見えている時の太陽と月の位置関係」の正答率は,いずれも実践前に比べ有意に増加した。(3)新しく開発した月の運行モデル教材と観測を組み合わせた実践を通して,初等教員養成課程学生の月の見え方に関する理解を改善できた。