著者
長岡 千賀 小森 政嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.34, pp.65-68, 2010-05-06

著者らの先行研究では,高評価のカウンセリング事例の間で,カウンセラーの相槌的表現を最初に含む発話の時系列的生起パターンが共通すること,そのパターンは低評価カウンセリングや日常的悩み相談では観察されないことが示された.本研究では,これと同じ結果が,異なる理論的背景を持つカウンセラーによるカウンセリング対話においても観察されるかどうかを検討する.1人のクライエント役に対する,認知行動療法のカウンセラーによるカウンセリング対話,ユング学派のカウンセラーによるカウンセリング対話,および高校教師による悩み相談を分析した.結果は,両カウンセリング対話における,相槌的表現を含む発話の時系列的生起バターンが,共通性を持つことを示した.結果から,カウンセラーによるクライエント理解の心的プロセスについて考察した.

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