著者
安藤 明伸 安孫子 啓 杵淵 信 鳥居 隆司
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.1-7, 2007-03-20

本研究では,対面型授業における匿名発表方式が学習者にどのような影響を与えているかを明らかにするために,電子メールを利用した匿名発表を可能にするシステムを利用し,記名発表と比較しながら学習者の意識を調査した。匿名発表と記名発表に対する意識を比較した結果では,「言いにくいことを伝えやすい」,「意見を伝える時に恥ずかしさを感じさせない」,「授業の内容を理解できるように感じる」,「意見を表明することに意義を感じる」,「授業へ参画する気持ちが強まる」ということが明らかとなった。授業に匿名発表を導入することに対しては,大勢の学生が肯定的に評価していた。特に,授業に積極的に参画したいという意欲や,発表の苦手意識や恥ずかしいと思う不安意識が肯定的な影響を与えていた。また匿名での発表や通信料金を気にするという実施上の問題を改善したいという意欲は,否定的な影響を与えていた。全体的な傾向として匿名発表には,発表に対する抵抗感を軽減し,意見の表明をしやすくする効果かおるといえる。結果として積極的な授業参画を促し,多くの意見を期待することができることがわかった。

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