著者
松永 理恵 阿部 純一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.279, pp.53-58, 2010-11-06
参考文献数
10

人間には,単純な基本振動数比の音程ほど協和性を感じる聴神経機能が生得的に備わっている。このことから,音階の中心音となるドとより単純な振動数比の関係にある"ソ"や"ファ"を含む音階が世界中に遍在していると考えられる。本研究では,ソやファを含むかどうかによって,音階(調性スキーマ)の学習のしやすさに違いが生じるかどうかを検討した。実験1の結果は,ソとファの両方を含む音階は,どちらか片方のみしか含まない音階やどちらも含まない音階よりも学習しやすいことを示した。実験2と3では,実験1の結果が,既学習の西洋全音階への同化のしやすさによるものではないことを確認した。これらの結果は,ソとファの両方を含む音階の学習しやすさは環境的な要因よりも生得的な要因によるところが大きいことを示唆する。

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