- 著者
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Sippel Patricia
- 出版者
- 東洋英和女学院大学
- 雑誌
- 東洋英和大学院紀要 (ISSN:13497715)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, pp.1-20, 2011-03-15
本稿はカナダ・メソジスト教会婦人伝道会社に派遣され、東洋英和女学校の初期を形成した三人の女性伝道者たちの異文化交流に焦点を当てる。創立者であるマーサー・J・カートメル(1845-1945)の滞在期間は病気により短いものとなった。イライザ・スペンサー・ラージ(1855-1933)は、校舎において目の前で夫を殺害され、後には日本におけるカナダ・メソジスト伝道運動を脅かすほどの闘いに挑むこととなる。そしてアグネス・ウィントミュート・コーツ(1864-1945)は、当初伝道のために精力的な活動をするも、来る戦時期には長きにわたる疎外と孤独な死が彼女を待ち受けていた。書簡、報告書、議事録を紐解いていくことで、日本という生活環境そして布教の地でカナダ人伝道者たちが経験した国際交流の複雑さを素描する。