著者
縣 拓充 岡田 猛
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.438-451, 2010-12-30
被引用文献数
1 2

本研究では,創造性神話に代表される美術の創作活動に対するイメージが,どのように表現や鑑賞への動機づけに影響するかを検討した。その際,表現に対する効力感,及び,アートに対するイメージを媒介変数として仮定し,創作活動に対するイメージは両者を介して表現・鑑賞への動機づけに効果を及ぼすという仮説モデルを構築した。まず予備調査として,人々が美術創作やアートに対して持つイメージを,自由記述式の質問紙によって抽出した。続いて首都圏の大学生・専門学校生306名に対して,上述の仮説モデルを検証する本調査を行った。構造方程式モデリングを用いた主な分析結果は以下の通りである。 1)創作・表現に対するステレオタイプは,表現に対する低い効力感,及び,アートに対するネガティヴなイメージを予測した。 2)表現に対する効力感やアートに対するイメージは,どちらも表現・鑑賞への動機づけに影響していた。以上の結果から,表現のみならず,鑑賞を促す上でも表現に対する効力感を高めるような実践が有用である可能性や,その一つの方法としての,創作・表現に対するステレオタイプを緩和するというアプローチの有効性が示唆された。

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