著者
富田 英司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.97-100, 2010

作文指導の実践研究には,文中の反論-再反論構造の有無について判断できる明確な基準が必要である.そこで本研究は,反論-再反論構造の有無を評価者が判断する過程を検討した.大学生の作文229事例が主に検討された.これらは反論-再反論構造の有無,判断の難易度について,2名の評定者によって評定された.この評定結果を規定する談話構造を探索したところ,文中の「命題+逆接パターン」によって,判断が容易になることが分かった.但し,このパターンが使用されても,判断が難しい事例も見られた.難しい理由を分類すると(1)逆接の多用による構造の複雑化,(2)主張自体の曖昧さ・複雑さ,(3)主張の適用範囲の限定との混同,(4)理由・根拠の構造の曖昧さ,の4つに分けられた.

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