著者
福田 実 鈴木 伸 須山 尚史
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.59-63, 2011-06-25

長崎港に入港する国際観光船の乗客数は増加傾向にあり、2009年には約4万人の外国人観光客が上陸した。これに伴って外国人患者も増加している。74歳の男性は数年前より冠動脈疾患•高血圧あったが、特に問題なく旅行を続けていた。国際観光船で旅行中、咳と不快感により夜間に目覚め息切れが出現するようになっていた。第1病日午前2時に強い呼吸困難が出現し船内のメディカルセンターを受診。長崎へ寄港した際、当院へ救急搬送された。重症呼吸不全であり、原因は肺癌・癌性胸膜炎・肺炎・間質性肺炎だった。人工呼吸管理・ステロイド治療などにより若干呼吸状態は改善された。米国よりメディカルチームに来院してもらい、人工呼吸管理を継続しながらチャーター機で移送した。国際観光船入港の増加により重症外国人患者を診療する機会も増加する。英語、中国語、韓国語など接する機会の多い外国語学習、プロの医学通訳育成が必要である。

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こんな論文どうですか? 国際観光船乗客に発症した肺癌症例の経験(福田 実[他]ほか),2011 http://t.co/ARGBxHkL6s

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