著者
伊東 孝 鈴木 伸治 武部 健一 津田 剛 原口 征人 藤井 三樹夫 鈴木 盛明 小野田 滋 為国 孝敏
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

近年、「ハードな土木」に対し、土木政策や事業決定のプロセスなど「ソフトな土木」を解明することも土木史の重要な課題と考えられるようになった。本研究は、日本の高度経済成長の牽引役を果たしてきた高速道路に焦点をあて、欧米で普及しているオーラルヒストリーの手法を用いて、1)関係者がご存命のうちに、話を聞き、整理し、資料として後世に残すこと、2)あわせて土木史研究に適用できる方法論を確立することを目的としている。本研究成果の概要は、次の通りである。本研究は、土木学会土木史研究委員会オーラル・ヒストリー研究小委員会がおこなった。1)インタヴューの実施及び証言記録の作成と保管本研究では、4箇年の研究期間をとおして、戦後の道路行政の黎明期を代表する3人の技術官僚にインタヴューを実施し、証言記録の作成と保管をおこなった。(1)平成14〜15年度は、高橋国一郎氏(元建設省事務次官・元日本道路公団総裁):通算7回(2)平成15〜16年度は、井上孝氏(元建設省事務次官・元参議院議員・元国土庁長官):通算6回*井上氏は平成16年5月以降、体調をくずされ、11月に逝去された。今回のオーラルヒストリー・インタヴューが氏の最後のお仕事になった。(3)平成16〜17年度は、山根孟氏(元建設省道路局長・元本州四国連絡橋公団総裁):通算10回2)土木史研究におけるオーラルヒストリー手法の構築3人のインタヴュー対象者へのインタヴューをとおして、オーラルヒストリーの方法論構築に向けての内容蓄積と検討をおこなった。そして最終年度に、5冊の報告書(「実践編」3冊と「理論編」2冊)を作成した。それぞれのインタヴューは、「実践編」として3冊の速記録にまとめた。また蓄積したオーラルヒストリーの方法論を「総括編」とし、ワン・デイ・セミナー(16年度開催)の速記録とともに、2冊の「理論編」としてまとめた。
著者
鈴木 伸英 工藤 芳彰 宮内 [サトシ]
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.31-40, 2001-03-31
参考文献数
14

本研究は、東京都府中市の大國魂神社の御先拂太鼓を対象として、その実体、保持・運搬用具、演奏方法、太鼓の役割等について検討した。その結果、以下の点が明らかとなった。御先拂太鼓が大型化した要因は、明治初期に祭礼の運営組織を府中四ヵ町に分けたことによって生じた、町内間の対抗心であった。その御先拂太鼓の存在意義は、祭礼の到来を知らせる実用的機能に加え、地域のシンボルであるという社会的役割、さらには音で神輿の道筋を払うという象徴的な機能にある。また、今日、御先拂太鼓が人々に受け入れられている理由として、次の諸要因をあげることができる。ソリッドの木材、麻縄といった伝統的な自然素材を用い、造形美を洗練させたこと。時代・社会の要請に応えて大型化・重量化した太鼓に対応するためにブレーキ付き台車、太鼓を台座から台車に載せ替えるためのクレーンの利用といった用具のシステムをそなえたこと。そうした前提の下で、音の大きさと単純さという根元的な太鼓の魅力を引き出す新しい演奏方法を確立させたことであった。
著者
清水 栄司 佐々木 司 鈴木 伸一 端詰 勝敬 山中 学 貝谷 久宣 久保木 富房
出版者
日本不安障害学会
雑誌
不安障害研究 (ISSN:18835619)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.116-121, 2014-03-31 (Released:2014-05-02)

日本不安障害学会では,日本精神神経学会精神科用語検討委員会(日本精神神経学会,日本うつ病学会,日本精神科診断学会と連携した,精神科病名検討連絡会)からの依頼を受け,不安障害病名検討ワーキング・グループを組織し,DSM-5のドラフトから,不安障害に関連したカテゴリーの翻訳病名(案)を作成いたしました。ご存知のように,厚生労働省は,地域医療の基本方針となる医療計画に盛り込むべき疾病として指定してきた,がん,脳卒中,急性心筋梗塞,糖尿病の四大疾病に,新たに精神疾患を加えて「五大疾病」とする方針を決め,多くの都道府県で2013年度以降の医療計画に反映される予定です。精神疾患に関しては,「統合失調症」や「認知症」のように,common diseasesとして,人口に膾炙するような,馴染みやすい新病名への変更が行われてきております。うつ病も,「大うつ病性障害」という病名ではなく,「うつ病」という言葉で,社会に広く認知されております。そこで,DSM-5への変更を機に,従来の「不安障害」という旧病名を,「不安症」という新名称に変更したいと考えております。従来診断名である,「不安神経症」から,「神経」をとって,「不安症」となって短縮されているので,一般に馴染みやすいと考えます。ただし,日本精神神経学会での移行期間を考え,カッコ書きで,旧病名を併記する病名変更「不安症(不安障害)」とすることを検討しております。そのほかにもDSM-5になって変更追加された病名もあるため,翻訳病名(案)(PDFファイル)を作成しました。翻訳病名(案)については,今後も,日本精神神経学会精神科用語検討委員会の中での話し合いが進められていく予定です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
著者
堀田 浩貴 熊本 悦明 青木 正治 山口 康宏 佐藤 嘉一 鈴木 伸和 和田 英樹 伊藤 直樹 塚本 泰司
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.1939-1946, 1991-12-20

夜間睡眠時勃起現象(NPT)は,ほとんどすべての健康男子に見られる生理現象であるが,小児での検討は少ない。そこで今回我々は,3歳から18歳までの小児30例で,NPT測定を行い,身体的発育と性的成熟度との関連について検討した。1.NPTの回数は各年齢でバラつきが大きいが,10歳過ぎ頃より増加傾向を認め,13,14歳の2例で14回と最高値を示した。2.陰茎周増加値(一晩のNPTのエピソード中,最大の陰茎周変化の値)は10歳まではすべて10mm以下であったが,12歳過ぎ頃に急激な増加が見られた。3.NPT時間(一晩のNPT時間の合計),%NPT時間(睡眠時間に占めるNPT時間の割合)は,ともに12歳頃より急激な増加が認められた。%NPT時間は,血清LH値とほぼ正の相関を示していた。また思春期発来の指標と考えられている夜間睡眠時のLH pulseが認められた例では,認められなかった例に比し,%NPT時間は明らかに高値であった。4.以上から,小児におけるNPTの測定は,他の内分泌的指標とともに思春期発来を知る上での生理学的指標となり得る可能性が示唆された。
著者
国里 愛彦 山口 陽弘 鈴木 伸一
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.324-334, 2008-03-31
被引用文献数
3

現在盛んに研究がなされているパーソナリティモデルにCloningerの気質・性格モデルとBig Fiveモデルの2つのモデルがある。しかし,2つのモデル間の関連性についての研究は少ない。そこで,本研究は,気質・性格モデルとBig Fiveモデルとの関連を検討することを目的とした。大学生457名を対象にTemperament and Character lnventory(TCI)とBig Five尺度を実施した。その結果,TCIとBig Five尺度は強い関連を示し,気質・性格モデルはBig Fiveモデルの説明を行うことが可能であることが示唆された。また,外向性を除くBig Fiveモデルの各因子の説明には,気質だけでなく性格が必要であることが示唆された。最後に,気質・性格モデルの観点からBig Fiveモデルの各因子の特徴について論議された。
著者
K リーゼンフーバー 鈴木 伸国
出版者
上智大学
雑誌
カトリック研究 (ISSN:03873005)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.1-44, 2007

In the transition from medieval scholasticism to early modern philosophy, the problem of the relation between faith and reason was raised by the Italian humanists of the fifteenth century. Searching for human perfection, they connected the ideals of ancient rhetoric with the faith of the Fathers of the Church. Marsilio Ficino (1433-1499) was the founder and leading spirit of the Platonic Academy in Medici-Florence. Through comprehensive translations, interpretations and systematic works he created a Christian philosophy supported by Platonic ontology and metaphysics of the mind. Aiming at contemplation of God or "learned piety", his theocentrism is mediated by an analysis of the mind's natural inclination to eternal beatitude. Thus, knowledge of transcendence and immortality of the human soul are the fundamentals of the mind's ascent to God, which is guided by biblical faith as taught by the authority of the Church and illuminated by rational reflection on self-knowledge. The convergence of reason and faith or philosophy and religion is endorsed historically by the development of ancient philosophy ("prisca theologia"), which - according to Ficino's construction - leads from Egyptian hermetic thought through Greek philosophy with its culmination in Plato, to Plotinos' neo-platonic theology and its medieval tradition up to Ficino's time. The neo-platonic conception of the mind in its relation to God, however, is said to have originated under the influence of the apostolic preaching as handed down through "Paul's disciple" Dionysios Areopagites and, later on, by Origen, an acquaintance of Plotinos. In this systematically and historically wide-ranging synthesis of Platonic philosophy and Christian faith, Ficino feels himself confirmed by the Church Fathers, especially by Augustine, who not only was led to Christianity by reading neo-platonic writings, but also after his conversion integrated Platonic philosophy with Christian theology, thus opening an intellectual access to faith.
著者
鈴木 伸一
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.61-74, 2001
被引用文献数
7

&nbsp;&nbsp;1.日本のコナラ林について植物社会学的な種組成および分布の検討を行った.各地域から報告された既発表文献と筆者らの報告した合計562の植生調査資料を用い,総合常在度表により広域的に比較した.その結果,日本のコナラ林群落を次の9群集にまとめ,イヌシデ-コナラ群団,コナラ-ミズナラオーダー,ブナクラスに位置付けた.1)オニシバリ-コナラ群集,2)ノグルミ-コナラ群集,3)アベマキ-コナラ群集,4)ケネザサ-コナラ群集,5)ケクロモジ-コナラ群集,6)クヌギ-コナラ群集,7)クリ-コナラ群集,8)カシワ-コナラ群集,9)オクチョウジザクラ-コナラ群集 <BR>&nbsp;&nbsp;2.コナラ林は各群集の分布状況から,沿岸地域,西南日本地域,中部内陸地域,東北日本地域および日本海地域の5つの分布型にまとめられることを明らかにした.特に西南日本地域と東北日本地域はほぼフォッサ・マグナを境界とし,植物区系上の境界である牧野線に対応していた.<BR>&nbsp;&nbsp;3.垂直分布では,コナラ林は沿岸低地から海抜1350mまでみられ,2つの分布パタ-ンに大別される.1つはヤブツバキクラス域のみに分布する群集で,自然立地をもたない集約的管理によって形成されてきた二次林である.中国大陸の夏縁性ナラ林との類縁をもつと考えられる.他の1つはヤブツバキラス域から下部ブナクラス域まで分布する群集で,二次林だけでなく自然植生としても存在する.ブナクラスの種群が優勢で,二次林としては下部ブナクラスの夏縁広葉樹自然林に由来すると考えられる.
著者
伊藤 勇 池田 稔 末野 康平 杉浦 むつみ 鈴木 伸 木田 亮紀
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.104, no.2, pp.165-174, 2001-02-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
19
被引用文献数
2 3

日本人の耳介に関する計測学的研究の多くは1950年代までに報告されており, それ以降, 本邦における耳介の加齢変化についての詳細な計測学的な検討はほとんど行われていない. 今回, 当時よりも体格が向上し, また, 高齢化の進んだとされる現代日本人の耳介形態について, 乳児から高齢者までの幅広い齢層における詳細な計測学的検討を行ったので報告する. 対象は, 0歳から99歳までの日本人1958名 (女性992名, 男性966名) で, 耳長, 耳幅, 耳介付着部長, 耳介軟骨長, 耳垂長, 耳指数, 耳垂指数, 耳長対身長指数, および耳介の型について検討した. 各計測値はほぼすべての年齢群において男性の方が女性よりも大きく, 10歳代までの年齢群に見られる成長によると思われる急激な計測値の増加傾向に加え, それ以降も高齢者群になるに従い加齢変化によると思われる有意な増加傾向を認めた. 各指数, 耳介の型についても同様に成長によると思われる変化と加齢によると思われる変化を認めた. また, 以前の日本人の耳介を計測した報告に比べて耳介計測値の多くが大きくなっていた.今回の計測学的研究は現代日本人の耳介の大きさについて成長や加齢による変化を検討したものであり, 今後, 日本人の耳介形態についての一つの指標になるものと考える.
著者
鈴木 伸尚
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要. アーカイブズ研究篇 = The bulletin of the National Institute of Japanese Literature. 人間文化研究機構国文学研究資料館 編 (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.13, pp.159-168, 2017-03

本稿では、大学の学生寮に関する記録史料(アーカイブズ)がどのように整理・保存・公開されているかについて、京都大学の学生自治寮を中心的な事例としてとりあげ、さらに、今後の学生寮関係資料の行方について大学のアーカイブズ機関をめぐる状況から考察した。 京都大学の学生寮はすべて寮の管理・運営に学生の自治会が携わる「自治寮」であるが、自治会が作成した記録(レコード)は必ずしも十分な保存管理状況にはない。ただし吉田寮自治会から京都大学文書館への移管や吉田寮生の有志による展示会(「今昔吉田寮展」)など、アーカイブズを志向する試みがないわけではない。 また「国立公文書館等」に指定された大学のアーカイブズ機関は2016 年現在、14 施設を数えるが、これらの機関での学生寮関係資料の収集・保存・公開状況には各大学ごとに差が大きい。機関・収集アーカイブズを十全ともたない大学における記録史料の散逸が危惧される。廃寮後の資料の一部は、同窓会組織が支えている現状である。 今後、大学のアイデンティティ、アカウンタビリティの観点から、つまり学生がどのように学び、感じ、生きたかを示す素材として、学生寮関係資料のアーカイブズ化が望まれる。By focusing on the Autonomous Dormitory belonging to Kyoto University, this paper seeks to consider, first, ways in which archival material relating to university dormitories is organized, preserved, and made public, as well as, second, the methods by which such material may be dealt with from hereon in by university archival centers. All of the dormitories at Kyoto University are governed and operated by the student union. Records produced by the student union, while helpful, are not always complete. Even so, some sincere efforts have been made by students eager to commit their records to longer-lasting archives. For example, the student union in charge of the Yoshida Dormitory had their records transferred to the university archives, while a number of students have produced an exhibition about the history of that same dormitory.Just this year (2016), a total of fourteen national archival centers were duly designated in various universities. Great differences exist, however, in the extent to which material relating to university dormitories is collected, preserved, and made public in each of these newly designated centers. Universities lacking ample resources run the risk of losing a great deal of such materials. As a preventative measure, a number of alumni associations have taken some of the responsibility of preserving materials after their previous dormitories have been torn down.Material relating to university dormitories offers invaluable insights into student life—how students learn, their emotional responses to university life, as well as their daily activities—and is therefore important when discussing the identity and accountability of a given university.
著者
元川 竜平 遠藤 仁 横山 信吾 西辻 祥太郎 矢板 毅 小林 徹 鈴木 伸一
出版者
日本地球化学会
巻号頁・発行日
pp.190, 2015 (Released:2015-09-03)

福島第一原子力発電所の事故により環境中へ放出された放射性セシウムが、福島県を中心に広範な地域に対して環境汚染をもたらした。放射性セシウムは、水を介して拡散し、土壌に吸着しているが、その中でも特に風化黒雲母・バーミキュライトといった特定の粘土鉱物に濃縮され、強くとり込まれることが明らかにされている。そこで我々は、X線小角散乱(SAXS)法を用いて、バーミキュライト・風化黒雲母/セシウム懸濁液の構造解析を行い、セシウムイオンの吸着に伴う粘土鉱物の構造変化を明らかにした。
著者
内田 博 高柳 茂 鈴木 伸 渡辺 孝雄 石松 康幸 田中 功 青山 信 中村 博文 納見 正明 中嶋 英明 桜井 正純
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.131-140, 2007
被引用文献数
1

1994年から2003年にかけて埼玉県中央部の丘陵地帯で,20×20 km,400 km<sup>2</sup>の調査区を設定して,オオタカの生息密度,営巣環境,繁殖成績,繁殖特性などを調査した.調査地での生息密度は1996年から2003年にかけて100 km<sup>2</sup>あたり平均12.8から14.0ペアであった.調査地内の隣接最短巣間距離は平均で1.74±0.59 km(±SD,範囲0.79−3.05 km, <i>N</i>=37)であった.営巣樹木は214例のうち,スギが54%,アカマツ30%,モミ13%と常緑針葉樹が97%を占めた.巣の高さは平均14 m,営巣木の69%の高さにあり,胸高直径は平均41 cmであった.巣は林縁から平均68 m,人家から155 m,道路から100 mの距離にあり,人の生活圏に接近していた.繁殖成功率は平均72%で,年により53~87%まで変動があった.巣立った雛は,産卵以降の全巣を対象にした場合平均1.49羽で,繁殖に成功した巣だけの場合,平均2.06羽であった.巣は前年繁殖に使用して,翌年も再使用したものが61%であった.また,9年間も同じ巣を使っているペアもいた.巣場所の再使用率は繁殖に成功した場合65%で,失敗すると50%だった.繁殖に失敗した67例の理由のほとんどは不明(61%)であったが,判明した原因は,密猟3例,人為的妨害4例,巣の落下4例,カラスなどの捕食5例,卵が孵化しなかったもの4例,枝が折れて巣を覆った1例,片親が死亡4例,近くで工事が行われたもの1例などであった.また,繁殖失敗理由が人為的か,自然由来のものであるかで,翌年の巣が移動した距離には有意差があり,人為的であればより遠くへ巣場所は移動した.
著者
真子 正史 鈴木 伸一 鈴木 誠
出版者
神奈川県農業総合研究所
巻号頁・発行日
no.145, pp.35-41, 2004 (Released:2011-03-05)

‘湘南ゴールド’は1988年に‘黄金柑’に‘今村温州’を交配して得られた実生の中から選抜・育成した品種である。樹や果実の特性から‘黄金柑’の珠心胚実生と考えられる。2000年に品種登録を申請し、2003年11月18日付けで品種登録(第11469号)された。‘湘南ゴールド’の樹勢は強く、有刺で、樹姿は当初直立性であるが、結実し始めると次第に開張する。若木を放任すると結実までに長年月を要するため、枝の誘引が必要である。樹勢が落ち着くと結実性は安定し、豊産性であるが、隔年結果性は強い。大玉果生産のためには7月摘果が有効である。果実は‘黄金柑’より大きく、平均果重は77gである。果形は球形で、‘黄金柑’に比べて果面が滑らかで、剥皮しやすい。また、果皮は黄色で、果皮厚は薄い。種子は少なく、果肉は柔軟多汁で、風味がよい。適熟期は4月で、4-5月にかけて優れた食味を有している。樹上越冬して4月に収穫するため、海岸沿いの風当たりの少ない、温暖な地域が適地と思われる。
著者
松岡 昭善 鈴木 伸一 池田 周平
出版者
神奈川県農業総合研究所
雑誌
日本養豚学会誌 (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.35-41, 1988
被引用文献数
1

イノブタは同一月令であっても, 生体重に個体差があることが知られており, この生体重の差と肉質の関係を明らかにする目的で, 2腹のイノブタを同一月令肥育し, と殺時の生体重により, 重い区 (平均体重: 88.6kg) と軽い区 (平均体重: 74.9kg) に分け, 枝肉成績および理化学的性状の差異を検討し, 次の結果を得た。<br>枝肉歩留, 背腰長I, IIおよび中躯の割合は, 生体重の重い区が大であり, 後躯の割合は生体重の軽い区が大きい値を示した。後躯の脂肪, 骨, 筋肉の構成割合は, 生体重の重い区で脂肪の割合が高く, 骨と筋肉の割合は低かった。胸最長筋の断面積および脂肪の厚さは, ともに生体重の重い区で大きい値を示した。<br>筋肉の理化学的性状は, 生体重の差による影響は顕著に認あられなかったが, 生体重の重い区は軽い区よりもわずかではあるが, 粗脂肪が高い値を示した。<br>体脂肪の特性は, 生体重の重い区において融点が高く, ヨウ素価, 屈折率は低い値を示した。<br>胸最長筋の色調は, 生体重の相違による差は少ないようであった。<br>筋肉の脂肪酸組成は, 生体重の重い区においてオレイン酸含量が高く, リノール酸含量が低かった。背脂肪については, 生体重の軽い区はリノール酸含量が高く, 腎脂肪では生体重の軽い区はリノール酸含量が高くオレイン酸含量が低かった。<br>以上の結果から, と殺月令が同じであるイノブタにおいて, 生体重の軽い個体は, 体脂肪の特性と脂肪酸組成から判断して, 軟脂の要素を持っていることが示唆された。
著者
鈴木 伸和 熊本 悦明
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.1088-1097, 1995-06-20
被引用文献数
6

男性透析患者に性機能障害が起こることはよく知られている.透析患者の性機能障害を詳細に検討するため, われわれは札幌医大式性機能質問紙を用いて性機能調査を行った.対象は外来透析をうけている男性205例であり, 糖尿病症例および重度貧血症例 (ヘモグロビン濃度8g/dl未満の症例) は今回の検討から除外した.質問紙の性機能評価にあたって, 当教室ですでに同質問紙を施行していた, 3462例の健康男性のデータをコントロール群として比較検討した.男性透析症例のうち, 性欲は33.7%が健康男性の下方10%領域に, 勃起能は44.4%が健康男性の下方10%領域に含まれており, いずれも加齢とともに著しい低下を認めた.射精能は自覚的勃起機能と連動した動きをみせており, 加齢とともに低下する傾向を認めた.性交頻度を透析症例と健康男性とで比較したが, 性交渉を有していないものが, 30歳代では透析症例12.9%に対して健康男性3.5%, 同様に40歳代では22.4%に対して3.0%, 50歳代では52.2%に対して7.5%, 60歳代では89.3%に対して18.0%と, 透析症例では, 各年代とも健康男性に比べて性交頻度が低下しており, しかも加齢に伴う低下が著しかった.
著者
和泉 ちえ 森 一郎 飯田 隆 小手川 正二郎 秋葉 剛史 河野 哲也 笠木 雅史 池田 喬 鈴木 伸国 村上 祐子 大河内 泰樹 佐藤 靜 加藤 泰史 吉原 雅子 小島 優子 菅原 裕輝
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

平成28年度は,初年度であるために,今後3年間の研究と実践を進めるための基盤整備をしっかり行いながら,課題1「男女共同参画と哲学思想の社会的意義についての理論的考察」,課題2「男女共同参画とキャリア形成に関する調査」,課題3「若手育成のための新しい教育方法の開発」の三つの課題に関して,それぞれ担当するグループに分けて取り組んだ.また各課題の進行を把握しながら,課題1~3をそれぞれフィードバックにかけ,最終的に理論と調査,実践方法を長期に渡って有効なひとまとまりの共有知識となるよう哲学的視点から検討を重ねた.課題1 男女共同参画および若手研究者支援を巡る理論的考察:平成28年度は、「男女共同参画」の哲学的基礎づけに重点を置いた.ジェンダー平等,アファーマティブアクションに関する理論的考察を行い,ワークショップ(10月於千葉大学東京サテライト・11月於東北哲学会大会共催・12月於西日本哲学会大会共催)および研究会(3月於千葉大学東京サテライト)を開催した。さらにジェンダー平等に関する日本学術会議での公開シンポジウムにおいて講演・発表を行い(1月於日本学術会議講堂),人文社会科学系学協会の連携体制に向けて活動を重ねた.課題2:男女共同参画推進および若手研究者支援に関する調査:日本哲学会全会員を対象に男女共同参画推進に関するアンケートを実施した(1月~2月).また若手研究者支援に関する基礎的調査に関するワークショップを開催した(11月於千葉大学東京サテライト).課題3:若手育成のための新しい教育方法の開発:平成28年日本哲学会大会のWSにおいて(5月於京都大学),若手研究者支援の文脈において必ずしも男女共同参画の理念が堅持されるとは限らない現状を踏まえながら,「哲学は今後どうあるべきか、どう教えるべきか」というテーマで.哲学研究のあり方,哲学教育のあり方を問い直す試みを行った.