著者
平林 ルミ 河野 俊寛 中邑 賢龍
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.275-284, 2010
被引用文献数
1

書字障害の評価は、これまで書字速度と正確さを測度とする方法が中心であり、書字困難の要因を特定するには不十分であった。そこで本研究では、デジタルペンを用いて小学1年生から6年生までの618名に対し、文章の書き写し課題を実施し、書字行動を運動フェーズと停留フェーズに分けて分析した。その結果、運動に関しては、仮名は小学2・3年生間で、漢字は4・5年生間で急激に書字運動速度が増加すること、停留に関しては、仮名は1年から3年にかけて、漢字は4年から5年にかけて停留時間が短くなることが明らかとなった。停留は運動よりも発達変化がゆるやかであり、また仮名と漢字では発達の過程が異なっていた。運動フェーズは視覚運動協応と、停留フェーズは文字の形態分析や音・意味との結びつきと関連していると考えられ、デジタルペンを用いた新たな書字評価の方向性が示された。

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編集者: Omotecho
2022-05-03 21:11:07 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

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