著者
西城戸 誠
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.9, pp.107-123, 2003-10-31

戦後日本の抗議イベントデータを用いて,戦後日本の環境問題に対する抗議活動(抗議型の環境運動)の動態とそれを規定する構造的な要因を計量的に分析した。その結果,環境問題に対する抗議活動は,1970年代半ばに穏健化し,1980年代にオルタナティブな要求をする活動が増加し,1990年代には「停滞」の様相を示したことなどが明らかになった。また,環境問題に対する抗議活動全体が興隆した時期(1964〜73年)と沈静化した時期(1974〜94年)において構造的要因の影響について分析した結果,1964〜73年では地方における政治的機会の閉鎖性と革新勢力との同盟といった要因が抗議活動の生起と関連していたが,1974年〜94年は政治的な要因との関連がほとんどなくなった。むしろ,1974年〜94年では,経済的な豊かさが抗議を生起させる条件になっていることが見いだせた。さらに1970年代半ば以降,日本の抗議型の環境運動は,欧米の抗議活動と異なり「運動社会」の様相は示していないことが明らかになった。

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