- 著者
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野田 浩資
- 出版者
- 環境社会学会
- 雑誌
- 環境社会学研究
- 巻号頁・発行日
- no.12, pp.57-71, 2006-10-31
- 被引用文献数
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2
「京都」は1994年に世界文化遺産に登録された。本稿は,1990年代後半以降の京都市の景観問題,歴史的環境保全の軌跡を,「伝統の消費」という観点から論じる試みである。具体的には,「町家保全」と「まちなか観光」の動きを追跡することとなる。前稿(野田,2000)では,主に1990年代半ばまでを扱い,<京都らしさ>を求める「外からのまなざし/内からのまなざしの交錯」が,都市計画と景観保全に制度化されたことを指摘した。本稿では,歴史都市・京都をとりあげることによって,世界遺産という「外からのまなざし」によって,「古都という名称のテーマパーク化」が進行しつつあるという,悲観的な診断をもとに,グローバル化の進む現代社会において「外からのまなざし」「グローバルなまなざし」に抗した「都市再生」のあり方について考えてみたい。