著者
川名 はつ子 菊地 潤 中村 泉
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.31-40, 2000

出生前診断について、大学生を含む20歳以上の一般市民1,130人を対象にアンケート調査を行った。596人(52.7%)から出生前診断という言葉の認知・理解度や出生前診断をめぐる生命倫理についての回答を得た。それを性・年齢(20代、30代、40代以上)、既婚・未婚、子の有無別に検討した。結果は以下の通りである。(1)6割以上の人が出生前診断という言葉を知っていたが、理解度は曖昧だった。(2)男性より女性、若者より年長者、未婚者より既婚者、子無しより子有りの人が出生前診断について関心が深かった。(3)多数の女性が、出生前診断を受けるか否かは自分で決めるが、胎児に異常があると告げられた場合は、誰かに相談すると答えている。(4)男性は、出生前診断を受けるか否かや、異常が指摘された場合どうするかは、概ね相手の女性の意向次第と答えている。(5)若い独身女性は、あまり知識がないのに出生前診断に受容的である。(6)しかし全体では出生前診断について、よく知っている人の方が受容的という結果も出ている。(7)情報はテレビ、新聞などのマスコミから得ることが多いが、今後この問題の当事者となる20代の独身女性では、新関から情報を得ている人は少ない。

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