著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1119-1127, 2012-03-15

初心者のユーザがステンシルを楽しむためのインタラクティブなドローソフト"Holly"を提案する.ステンシルとは穴の開いたステンシル型版を用いて上からインクなどを使って図柄をデザインする表現手法である.このステンシル型版はつねに1枚につながっているという制約を満たすようにデザインしていかなくてはならないため,オリジナルなステンシル型版を自らデザインすることは子どもや初心者には難しく,既存デザインのステンシル型版を利用して楽しむか,自らデザインするにしてもサンプルパターンの組合せでのデザインにとどまっている.そこで我々はステンシル型版を生成するための手法を提案する.ユーザは通常のドローソフトのように自由に図柄をデザインしていく.システムはユーザの描いた線をもとに制約に基づいてインタラクティブにステンシル型版を生成する.システムの内部ではベクタ形式とラスタ形式のハイブリッドの実装になっている.ステンシル型版はベクタデータとして出力できるため,カッタプリンタなどを用いて実世界のステンシル型版を作成することができる.ユーザはそれを用いて自由に布や手紙,ポストカードなどにステンシルをすることができる.我々は実際に子どもや初心者のユーザに使用してもらうことで本システムの有効性を示したので報告する.We introduce an interactive system that allows nonprofessional users to design their own stencil plates. The design of an original stencil is very difficult because of the specific physical constraint requiring that all positive regions are connected. We present a method for generating expressive stencils in which the user simply uses standard drawing operations and the system automatically generates the appropriate stencil plate that satisfies the constraint. The user obtains the physical stencil plate by sending the result to a cutting plotter when available. Otherwise the user can print out the final tracing outlines using a standard printer and cut these lines using a cutter knife. Finally the user decorates the target object (e.g., fabric, letter, or postcard) using the stencil plate. In a workshop for novices, we observed that even children can design their own stencil using our system.

言及状況

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編集者: Assemblykinematics
2021-12-10 08:05:51 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

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