著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫 鈴木 宏正
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-58, 2009-01-27
被引用文献数
1

"あみぐるみ"は毛糸を使って作るぬいぐるみであるが,毛糸の編み方によって形状をデザインしていくため,初心者にはデザインすることが困難である.我々は3次元モデリングプロセスにインタラクティブな物理シミュレーションを組み合わせることであみぐるみを効率的にデザインできるモデラーを作成した.本システムは自動で編み目を計算してあみぐるみモデルをシミュレーション結果として提示するため,初心者にでも直感的にデザインでき,編み図も容易に得ることができる.また,初めてあみぐるみに挑戦する初心者でも製作手順を容易に理解できるようにするために,製作手順を視覚的に提示する製作支援インタフェースも備えた.あみぐるみ初心者でも容易にオリジナルなあみぐるみを作成できることを確認したので報告する.
著者
小山 裕己 坂本 大介 五十嵐 健夫
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1_63-1_77, 2016-01-26 (Released:2016-03-26)

視覚的なデジタルコンテンツの編集,例えば写真の色補正などにおいて,パラメタ調整は最も基本的な作業の1つであるが,特に調整すべきパラメタが多数ある場合には,デザイン空間,すなわちパラメタ空間を探索することに多くの時間と労力が必要となる.このようなパラメタ調整に基づく視覚デザインの探索を支援するため,本論文ではまず,パラメタ空間を解析することでデザインの「良し悪し」の空間分布を推定する手法を提案する.この推定はクラウドソーシングを用いたヒューマンコンピュテーションによって生成されるデータをもとに行われ,この推定の結果,ユーザはgoodness functionと呼ばれる,パラメタ空間中の任意のデザインに対してその「良し悪し」の程度を計算する関数を得ることができる.本論文では更に,そのようにして得られるgoodness functionを利用した視覚デザイン探索支援のための2 つの新しいユーザインタフェースを提案する.(1) Smart Suggestion は比較的「良い」デザインを選択的に提示する機能である.(2) VisOpt Slider は「良し悪し」の分布を対話的に可視化(Vis:visualization)する機能を有するスライダであり,更にユーザが値を編集している最中により「良い」パラメタへと対話的に最適化(Opt: optimization)する機能も有する.また,本論文では提案手法を4つの異なるデザイン領域に適用した結果も報告する.
著者
西田 健志 五十嵐 健夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.41, pp.19-26, 2007-05-11
被引用文献数
1

匿名による発言は議論への積極的な参加を促す一方で、責任の所在を暖味にするため、実名を伴う参加に比べて軽んじられやすい。そこで我々は、伝統的な署名技法である傘連判状を採り入れることで、議論への参加しやすさと発言責任・発言力の確保の両立を可能にする以下のようなコミュニケーションプロトコルを提案する。まず、参加者は匿名で発言して加盟者を募る。加盟者が十分な人数集まった場合には、加盟者全員の名前が傘連判状の形で公開される。In computer-mediated group communication, anonymity enables participants to post controversial comments without risking accusations of improper behavior. While this may encourage more open and frank discussion, it diminishes accountability. In addition, anonymous comments are perceived as weaker than non-anonymous comments. We propose a communication protocol that allows a user to send a strong message to the group without having to assume sole individual responsibility. The system posts an anonymous comment, and then calls for supporters. When sufficient numbers of supporters have been gathered, the system reveals the names of all supporters as a round-robin signature. This prevents the originator from being identified.
著者
武田 達弥 五十嵐 健夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.11, pp.93-98, 2008-01-31
被引用文献数
1

本論文では、グループにおける検索活動を支援するシステムについて提案する。グループ内のユーザの間では興味・関心が共有されているため、検索活動の重複が大きい。そのため、グループのメンバがそれまでに行った検索履歴を利用することで、次に他のメンバが同じような検索を行ったときに目的となる情報にたどり着くまでの時間と労力を省くことが出来ると考えられる。本稿では、一つの実現例として、検索クエリが入力されたときに、過去に同じクエリで検索され有用と判断されたページを提示するシステムについて説明し、実際にユーザに使用してもらった結果について報告する。When searching a web using a keyword, the search engine returns many results and the user needs to pick desired one manually by visiting the returned many pages one by one. We try to reduce this burden by reusing the result of this task by other group members. Our basic assumption is that group members are expected to share general interest. For example, if one member picks page A as an appropriate search result for search query X after examining many search results, it is likely that another group member also wants to get page A when submitting search query X. This paper proposes search history sharing system that allows the users to get page A immediately when the second group member submit query X to save the user from checking many search results. Finally, we discuss our preliminary test.
著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫 鈴木 宏正
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1_51-1_58, 2009-01-27 (Released:2009-03-27)

“あみぐるみ”は毛糸を使って作るぬいぐるみであるが,毛糸の編み方によって形状をデザインしていくため,初心者にはデザインすることが困難である.我々は3次元モデリングプロセスにインタラクティブな物理シミュレーションを組み合わせることであみぐるみを効率的にデザインできるモデラーを作成した.本システムは自動で編み目を計算してあみぐるみモデルをシミュレーション結果として提示するため,初心者にでも直感的にデザインでき,編み図も容易に得ることができる.また,初めてあみぐるみに挑戦する初心者でも製作手順を容易に理解できるようにするために,製作手順を視覚的に提示する製作支援インタフェースも備えた.あみぐるみ初心者でも容易にオリジナルなあみぐるみを作成できることを確認したので報告する.
著者
杉浦 裕太 筧 豪太 ウィタナ アヌーシャ 坂本 大介 杉本 麻樹 五十嵐 健夫 稲見 昌彦
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.209-217, 2015

We present the FuwaFuwa sensor module, a round, hand-size, wireless device for measuring the shape deformations of soft objects such as cushions and plush toys. It can be embedded in typical soft objects in the household without complex installation procedures and without spoiling the softness of the object because it requires no physical connection. Six LEDs in the module emit IR light in six orthogonal directions, and six corresponding photosensors measure the reflected light energy. One can easily convert almost any soft object into a touch-input device that can detect both touch position and surface displacement by embedding multiple FuwaFuwa sensor modules in the object. A variety of example applications illustrate the utility of the FuwaFuwa sensor module. An evaluation of the proposed deformation measurement technique confirms its effectiveness.
著者
三上 裕明 坂本 大介 五十嵐 健夫
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.1-14, 2015-12-04

APIの理解と使い方の学習は,プログラマにとって重要であるが,時間のかかる作業である.APIを理解するための方法の1つとして,チュートリアルがある.チュートリアルは,複数のサンプルコードおよびその説明と,それらのリストからなるドキュメントであり,ライブラリの基本的な機能の使い方を提示する.現在,チュートリアルはライブラリの開発者が記述しているが,チュートリアルを書くことは手間がかかる作業である.そのため,チュートリアルが更新されず,最新のAPIの使い方がチュートリアルで説明されていない場合がある.この問題に対処するため,本論文では,単体テストからチュートリアルを自動的に生成する手法を提案する.本手法では最初に,単体テストから実行可能なサンプルを生成する.次に,サンプルの説明を生成するために,プログラム可視化の技法を用いる.また,サンプルコードのリストを作るために,単体テスト間の依存関係を用いる.具体的には,実行時情報を用いて単体テストの依存関係を抽出し,そしてその依存関係をもとにサンプルコードを順序付けする.本手法の有効性を確認するためにユーザスタディを実施した.この結果,本手法を用いて生成されたチュートリアルを用いることで,自動生成された既存のAPIドキュメントの場合よりもAPIを効率的に理解できるという結果が得られた.
著者
中沢 一雄 原口 亮 芦原 貴司 難波 経豊 戸田 直 山口 豪 井尻 敬 高山 健志 五十嵐 健夫 倉智 嘉久 池田 隆徳
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SUPPL.4, pp.S4_208-S4_215, 2010 (Released:2012-08-21)
参考文献数
27

実世界に起きる現象はきわめて複雑であり, 理論的にその振る舞いを解析したり, あるいは記述したりするのは容易なことではない. 特に, 心室細動に代表される致死性不整脈のような複雑な心電現象を, 単純なモデル化や数式化により理解することは困難である. コンピュータシミュレーションおよび可視化は, その複雑なメカニズムの整理や直感的な理解のためには有効な手段である. 心臓の電気的特性は, 多種のイオンチャネルが複雑に関連しながら機能して決定される心筋細胞の電気活動, さらにそれらの心筋細胞が3次元的に配列し有機的に協調・連携した臓器というように階層性を持ったシステムの特性として決定される. したがって, 不整脈現象をより正確に理解するには, 心臓をシステムとして捉える工学的視点が要求され, 心臓の電気現象の各階層(イオンチャネル/心筋細胞/心臓)を統合して考える必要がある. 国立循環器病研究センターを中心に進められているプロジェクトでは, スーパーコンピュータを用いた高速大規模計算技術, コンピュータグラフィックスによる表示, 医用画像処理など, さまざまな工学的技術が含まれている. 心臓モデルを用いたコンピュータシミュレーションを中心に, われわれの研究グループにおける一連の不整脈研究を示す.
著者
中嶋 誠 坂本 大介 五十嵐 健夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.1317-1327, 2015-04-15

本論文では,アナログ画材によりオフライン彩色された画像素材を,デジタルなFlashスタイルアニメーション制作に取り入れる統合的なワークフローを提案する.デジタルなオーサリング手法には,下描き段階での編集のしやすさ等の利点があり,アナログ画材による彩色は,有機的な質感を演出するのに有効である.しかし両者の連携には手間がかかるため,効率的な連携ワークフローを提案する.まずユーザは,デジタルソフトウェアでキャラクタのスケッチと,動きの設計を行う.次にシステムが,ユーザの描いたレイヤ画像をまとめて紙に印刷し,ユーザは任意のアナログ画材を用いて彩色する.最後に,彩色済み用紙をスキャンし,システムが自動でアニメーションに再構成する.提案ワークフローの実装例を示し,ユーザの作例と得られたコメントを通して,提案システムの利点と将来課題について考察する.We present an animation creation workflow for integrating offline physical, painted media into the digital authoring of Flash-style animations. Digital authoring methods are full of useful nonlinear editing features. Physically painted media can provide organic atmosphere to animation. To incorporate both in a labor-saving manner, we present a workflow that integrates the offline painting and digital animation creation processes. First, a user makes a rough sketch of the visual elements and defines their movements using our digital authoring software with a sketch interface. Then these images are exported to printed pages, and users can paint using offline physical media. Finally, the work is scanned and imported back into the digital content, forming a composite animation that combines digital and physical media. We present an implementation of this system to demonstrate its workflow. We also discuss the advantages of using physical media in digital animations through design evaluations.
著者
中沢 一雄 原口 亮 八尾 武憲 永田 啓 杉本 喜久 芦原 貴司 高田 雅弘 並川 寛和 岡田 靖士 吉本 幸平 古屋 直美 仙田 修司 植松 義之 五十嵐 健夫
出版者
Japan Association for Medical Informatics
雑誌
医療情報学 = Japan journal of medical informatics (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.81-86, 2005-11-10
参考文献数
16
被引用文献数
3

カルテの電子化を目的に,我々は紙カルテの柔軟性を自然な形で実現するペン入力インタフェースを開発した.このペン入力インタフェースには,入力支援だけでなく,入力したデータをレヴューするための効果的機能が備わっている.しかしながら,ペン入力による手書き文字のままでは2次利用が困難という問題がある.この論文においては,手書き文字に対する高度な枠なし認識機能および検索機能を備えることで,ペン入力インタフェースにおける入力データの2次利用の可能性を示す.枠なし手書き文字に対する認識機能によって,入力の都度,必要に応じて手書き文字からテキストデータに容易に変換することができる.さらに,一連の入力の後,2次利用可能なテキストデータに一括変換することも可能である.加えて,手書き文字の検索機能を使えば,特別なデータベース構造を作らなくても,手書き文字全体の中から目当ての文字列を検索することが可能である.
著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1119-1127, 2012-03-15

初心者のユーザがステンシルを楽しむためのインタラクティブなドローソフト"Holly"を提案する.ステンシルとは穴の開いたステンシル型版を用いて上からインクなどを使って図柄をデザインする表現手法である.このステンシル型版はつねに1枚につながっているという制約を満たすようにデザインしていかなくてはならないため,オリジナルなステンシル型版を自らデザインすることは子どもや初心者には難しく,既存デザインのステンシル型版を利用して楽しむか,自らデザインするにしてもサンプルパターンの組合せでのデザインにとどまっている.そこで我々はステンシル型版を生成するための手法を提案する.ユーザは通常のドローソフトのように自由に図柄をデザインしていく.システムはユーザの描いた線をもとに制約に基づいてインタラクティブにステンシル型版を生成する.システムの内部ではベクタ形式とラスタ形式のハイブリッドの実装になっている.ステンシル型版はベクタデータとして出力できるため,カッタプリンタなどを用いて実世界のステンシル型版を作成することができる.ユーザはそれを用いて自由に布や手紙,ポストカードなどにステンシルをすることができる.我々は実際に子どもや初心者のユーザに使用してもらうことで本システムの有効性を示したので報告する.We introduce an interactive system that allows nonprofessional users to design their own stencil plates. The design of an original stencil is very difficult because of the specific physical constraint requiring that all positive regions are connected. We present a method for generating expressive stencils in which the user simply uses standard drawing operations and the system automatically generates the appropriate stencil plate that satisfies the constraint. The user obtains the physical stencil plate by sending the result to a cutting plotter when available. Otherwise the user can print out the final tracing outlines using a standard printer and cut these lines using a cutter knife. Finally the user decorates the target object (e.g., fabric, letter, or postcard) using the stencil plate. In a workshop for novices, we observed that even children can design their own stencil using our system.
著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1119-1127, 2012-03-15

初心者のユーザがステンシルを楽しむためのインタラクティブなドローソフト“Holly”を提案する.ステンシルとは穴の開いたステンシル型版を用いて上からインクなどを使って図柄をデザインする表現手法である.このステンシル型版はつねに1枚につながっているという制約を満たすようにデザインしていかなくてはならないため,オリジナルなステンシル型版を自らデザインすることは子どもや初心者には難しく,既存デザインのステンシル型版を利用して楽しむか,自らデザインするにしてもサンプルパターンの組合せでのデザインにとどまっている.そこで我々はステンシル型版を生成するための手法を提案する.ユーザは通常のドローソフトのように自由に図柄をデザインしていく.システムはユーザの描いた線をもとに制約に基づいてインタラクティブにステンシル型版を生成する.システムの内部ではベクタ形式とラスタ形式のハイブリッドの実装になっている.ステンシル型版はベクタデータとして出力できるため,カッタプリンタなどを用いて実世界のステンシル型版を作成することができる.ユーザはそれを用いて自由に布や手紙,ポストカードなどにステンシルをすることができる.我々は実際に子どもや初心者のユーザに使用してもらうことで本システムの有効性を示したので報告する.
著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫 鈴木 宏正 Yuki Igarashi Takeo Igarashi Hiromasa Suzuki 東京大学大学院工学系研究科 東京大学大学院情報理工学系研究科:JST ERATO 東京大学大学院工学系研究科 Dept. of Engineering The University of Tokyo Dept. of Information Science and Technology The University of Tokyo:JST ERATO Dept. of Engineering The University of Tokyo
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-58, 2009-01-27

"あみぐるみ"は毛糸を使って作るぬいぐるみであるが,毛糸の編み方によって形状をデザインしていくため,初心者にはデザインすることが困難である.我々は3次元モデリングプロセスにインタラクティブな物理シミュレーションを組み合わせることであみぐるみを効率的にデザインできるモデラーを作成した.本システムは自動で編み目を計算してあみぐるみモデルをシミュレーション結果として提示するため,初心者にでも直感的にデザインでき,編み図も容易に得ることができる.また,初めてあみぐるみに挑戦する初心者でも製作手順を容易に理解できるようにするために,製作手順を視覚的に提示する製作支援インタフェースも備えた.あみぐるみ初心者でも容易にオリジナルなあみぐるみを作成できることを確認したので報告する.
著者
鷲田 基 五十嵐 健夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.11, pp.115-120, 2007-02-10

現在、複雑なタスクを管理するために紙や PAD にタスクを記録することが行われている。こうしたタスク管理はタスクを文書化するための手間がかかることが欠点である。一方、デスクトップ上ではウィンドウの管理が行われているが、これはデスクトップ上で行われている「もう一つのタスク管理」であると我々は考えている。しかし従来のウィンドウ管理ツールではタスク管理ツールとしての側面があまり考慮されてこなかった。本稿では、文書によるタスクとウィンドウの両方を一元管理する手法を提案する。本システムでは、開いているウィンドウの情報をタスク管理に利用することにより、タスクを文書化する手間を省き、タスクの全体像を見やすくすることができる。また、開いているウィンドウに関するタスクの表示や閉じたウィンドウの復帰を行うこともできる。ウィンドウとタスクを一元管理することは、従来のタスク管理とウィンドウ管理の双方の面で有効であると期待される。We propose a new method to manage both of written tasks and windows. People manage many tasks by writing notes into the paper or PDA in the present days. Problems of those managing methods are the efforts to write down their tasks. On the other hand, open windows are managed on the PC environment. We think that managing windows are another kind of task management, but conventional window management tools were not designed well as task management tools. Our system can reduce the effort to describe tasks and show easy overview by using informations of windows. It can also make users easy to remember tasks about the windows and recover closed windows. We believe managing both of tasks and windows in an integrated fashion is effective for both of task management and window management.
著者
栗原 一貴 五十嵐 健夫 伊東 乾
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.14-25, 2006-10-26
被引用文献数
10

本論文では,資料の作成から発表までを電子ペンによって統一的に行うことのできるプレゼンテーションツールを提案し,実用システムの開発と教育現場における長期ユーザスタディによりその有効性を検証する.まず事前調査を行い,従来のツールでは満たせないプレゼンテーションに対する現場ニーズを分析した.その結果,資料の作成・編集をIT初心者でも簡便に行うことができる機能と,発表中であっても資料を動的に編集できる機能が重要であるという知見が得られた.これに基づき,電子ペンの持つ直感的操作が可能な特性と,絵画的表現および言語的表現を自由に空間に配置・操作できる特性を活かした電子プレゼンテーションツール「ことだま」を開発した.そして小中高校の教員を被験者とする2年間にわたる長期のユーザスタディを行った.その結果ことだまの有効性が実証され,教育現場への応用で必要となるプレゼンテーションツールデザインのための知見が得られた.
著者
五十嵐 健夫
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.84-85, 2013-01-15
著者
西田 健志 五十嵐 健夫 Takeshi Nishida Takeo Igarashi 東京大学大学院情報理工学系研究科 東京大学大学院情報理工学系研究科:科学技術振興機構さきがけ Graduate School of Information Science and Technology the University of Tokyo Graduate School of Information Science and Technology the University of Tokyo:JST PRESTO
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.69-75, 2006-10-26
参考文献数
7
被引用文献数
3

本論文では,参加者間で画像を共有し,それら画像の特定部分に会話を結びつけることのできるチャットシステムLock-on-Chatとその運用により得られた様々な知見をまとめる.文書や画像と会話を結びつけるほかのシステムが,ひとつの文書について深く議論するのに適しているのに対して,我々のシステムは複数の画像に分散した会話をしやすくすることに重きを置いてデザインされている.Lock-on-Chatは学術会議において発表中に聴衆が会話するためのシステムとして運用された.Lock-on-Chatが局面に応じてさまざまな使われ方がされる様子,多くの参加者が活発に議論する様子が観察された.
著者
生駒 浩隆 五十嵐 健夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.68, pp.35-41, 2007-07-07

タグとファセット分類を用いて手書きメモを管理するシステムを提案する.ファセット分類は階層構造より表現力が高く,効率的なナビゲーションなど多くの利点が認識されているが,ファセット分類の適用方法や編集方法などに関して課題が多く残っている.そこで本研究では,モバイルデバイスを用いて個人が手書きメモを取り,手書きメモを管理するために,タグを用いて独自のファセット構造をボトムアップに構築し,インタラクティブな編集を支援するGUIの提案を行う.In this paper, we explore the possibility of using tags and facets for the management of micro handwritten notes. Faceted classification has mainly been used for the management of shared information on the net. Unlike such shared information, personal information changes frequently and loosely organized. Most importantly, the organization and retrieval are more tightly coupled together and retrieval of information often affects the organization of the information itself. As a test bed to explore this design space, we are developing a system for managing micro handwritten notes.