著者
古別府 ひづる
出版者
日本インターンシップ学会
雑誌
年報 (ISSN:18811663)
巻号頁・発行日
no.14, pp.27-34, 2011-12-25

本稿では、大学日本語教員養成における海外日本語アシスタントの「社会人基礎力」が、日本語アシスタントの段階及び社会に出て起業した段階において、どのように発揮されたかを、被調査者1名のケーススタディとして示すことを試みた。PAC分析(個人別態度構造分析)と半構造化面接の手法を用いて調査した結果、「社会人基礎力」を誘発し、継続させる内発的要因として、未知への関心、自分の才能、周囲の期待、志などの自尊心を支えるものと、失敗や現状不満が、注目すべき変数として抽出できた。さらに、海外日本語アシスタントの特性として、パラフレーズする(言い換える)ことや多様性への関心が挙げられた。また、海外日本語アシスタントの「社会人基礎力」の外発的誘因として、格闘せざるを得ない環境や期間が、「問題の埋め込まれた情況」を生み出し、「社会人基礎力」を育成すると考えられた。これらの結果は、大学における「社会人基礎力」育成の場面の創出の手掛かりとなると考える。

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