- 著者
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菅原 布寿史
- 出版者
- 人間環境大学
- 雑誌
- 人間と環境 電子版 (ISSN:21858373)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.46-70, 2012-02-29
第I部では徳川・五島本の構図を分析し、二分割した画面に主要なモチーフを配置することで物語内容を視覚的に表現した〈対置的スタティクス〉、様々な動勢が影響し合って動的な運動感で画面内を満たし、ドラマティックなインパクトが感性に訴えかける〈有機的ダイナミクス〉に分類した。第II部では徳川・五島本の色彩とテクスチュアが物語表現にどのような効果を与えているのかを分析する。色彩は、強調色の配置が物語表現に深く関わっている。中でも〈有機的ダイナミクス〉の構図を持つ柏木グループは構図のダイナミズムを補強する形で強調色が活用され、テクスチュアとの相乗効果を伴い、より鑑賞者の感性に訴える表現を実現している。